産後の栄養と健康管理
2018.03.30

授乳中の薬はNG?気をつけるべき成分とは

妊娠中や授乳中、お母さんはできるだけ薬の使用を控えるようにと医師からアドバイスされますが、なぜなのでしょうか。また、具合が悪くなったときはどうすればいいのでしょうか。ドクター監修の記事で、授乳中の薬の使用と注意点について解説します。

赤ちゃんを育てていると、ちょっと風邪(かぜ)気味のときや、胃腸の調子が思わしくないときなど、ドラッグストアで手に入る市販薬に頼りたいときもあるかと思います。しかし、授乳中の薬の使用は注意が必要とされています。病院で処方される薬だけでなく、薬局で変えるような痛み止めや風邪薬もすべて使用してはいけないのか、詳しく見ていきましょう。

授乳中に薬を使ったらダメって本当?

授乳中に薬を使うべきでない理由は、いくつかあります。薬の成分が母乳を通して乳児に移行してしまったり、乳児は肝臓や腎臓が未発達なので解毒や排泄が不完全であること、毎日母乳を飲むので蓄積しやすいことなどから、思わぬ副作用やアレルギーの危険性があるといった理由があります[1][2]。

授乳中の薬の使い方

授乳中は薬の使用は避けた方が安全です。ですが、治療のために薬を飲む必要があるときももちろんあります。授乳中ということを伝えたうえで医師から処方された薬については、自己判断で中止することはやめてください。また、母乳も自己判断で中断せずに、医師、薬剤師に相談するようにしてください。

まずはかかりつけ医か薬剤師に相談

授乳中に薬を使う必要を感じた場合、まずはかかりつけ医か薬剤師に相談しましょう。授乳中、自己判断で薬を使うのは避けましょう。自宅に妊娠・授乳前に処方された薬や、市販薬があっても使わないようにしてください。

使っても問題がない薬、使うべきでない薬の情報は膨大で日々更新されており、専門家の助けが必要となってくるからです。薬の説明書(添付文書)で、授乳婦は服用禁止となっていないから使っても問題ない、というわけでもないのです。

授乳中に気をつけるべき成分の例

授乳中につかってはいけないとされる成分の一部分と代表的な分類を紹介します[3]。

  • アミオダロン<抗不整脈薬>
  • コカイン<麻薬>
  • ヨウ化ナトリウム(123I)<放射性ヨウ素>
  • ヨウ化ナトリウム(131I)<放射性ヨウ素>

上記はごく一部ですが、ほかにも薬の組み合わせや処方する時期もあわせて使用可否判断が必要であるため、薬剤師や医師の判断が必要となります。

授乳中でも服用できる成分の例

授乳中に安全に服用できるとされる成分の一部を紹介します。

解熱鎮痛薬
アセトアミノフェン、イブプロフェン、インドメタシン
抗生物質(ペニシリン系、セフェム系)
エリスロマイシン、クラリスロマイシン、クリンダマイシン
痰を除去する薬
テオフィリン、ジフェンヒドラミン
鼻炎を治す点鼻薬
ジフェンヒドラミン、フェキソフェナジン
鼻炎を治す内服薬
ジフェンヒドラミン、フェキソフェナジン
便秘薬
センノシド、センナ
痔の薬
センノシド、センナ、ジフェンヒドラミン
胃腸薬
ロペラミド、ラニチジン、ファモチジン、ドンペリドン
アレルギーの薬
ジフェンヒドラミン、フェキソフェナジン[3]

授乳期間中は病気にならない体づくりを

授乳期間中は薬に気をつけるとともに、普段から病気にならないよう生活習慣に気をつけて、身体の免疫力を維持しておくようにしましょう。特に、感染症である風邪(かぜ)やインフルエンザはセルフケアでの予防が重要です。インフルエンザワクチンは授乳中も接種できるので、積極的に受けるようにしましょう。注意するポイントは以下のとおりです。

  • インフルエンザなど感染症の流行期間中は、人混みや繁華街を避ける
  • 人混みに近づく必要があるときはマスクを着用する
  • 外出後はうがい・手洗いを徹底する
  • アルコールによる手指の消毒も有効
  • 加湿器などを使って部屋の湿度を50~60%に保つ
  • 可能な限り休息を十分にとったり、バランスの取れた食生活を心がける

加えて周りの人はくしゃみや咳は手やマスクでおおってしぶきが飛ばないようにする、鼻水や痰はティッシュにくるんで授乳婦や赤ちゃんから遠ざけるなどの注意も必要です。また授乳婦ができるだけ十分な休息を取れるよう、周りの人にサポートしてもらいましょう。

参考文献

  1. [1]大分県「母乳と薬剤」研究会編. "母乳と薬ハンドブック" 大分県「母乳と薬剤」研究会. http://www.oitaog.jp/syoko/binyutokusuri.pdf(参照2018-02-25) 
  2. [2]稲田衣子. "授乳とくすり" 流山市薬剤師会. http://nagareyama-pharm-assoc.net/top/lecture/(参照2018-02-25)
  3. [3]国立生育医療研究センター. "妊娠と薬情報センター: 授乳中の薬の影響" 国立生育医療研究センター. https://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/druglist.html(参照2018-02-25)

今すぐ読みたい

「産後の栄養と健康管理」の関連情報

注目情報