産後の栄養と健康管理
2018.03.30

産後は体力が低下する?回復のためにしたいこと

出産後に体力が落ちた、疲れやすくなったと感じる女性は多いものです。体力が落ちると疲れやすく、育児や家事がままならなかったり、風邪(かぜ)などにかかりやすくなったりすることがあるでしょう。出産後に体力が低下する理由、低下した体力の回復を早める方法について解説します。

出産を終えた女性はちょっとしたことにも疲れやすくなったり、体調不良に陥りやすくなることがあります。育児の負担が増える今後のためにも回復を早めておきたいものですが、具体的にはどのような方法があるのでしょうか。

産後に体力が落ちるのは本当?

出産は女性にとって一大イベントであり、相当な気力と体力が必要です。規則的に陣痛が始まってから、出産までに至る時間は初産の場合で11~15時間、経産の場合で6~12時間程度とされます。また出産は、体自体にも大きな変化を及ぼします。出産時にできた傷や切開の痛み、体が修復しようとして起こる痛みや疲労によって、体を動かすと体力を消耗してしまうのです。ここでは体力の回復のために、主に産褥期(出産後8週)以降にできることを中心にご紹介します。

産後の体力の回復を早める方法

この時期、体力の回復を早めるために主に必要なものは、

  • 休息・睡眠
  • 栄養バランスの取れた食事
  • 適度な運動

だといえるでしょう。どれも基本的なことではありますが、思うようにいかないのが産後です。

少しでも効率よく回復できるような工夫をご紹介します。

休息・睡眠

産後の痛みが治まったとしても、夜中に授乳したり、泣いた赤ちゃんをあやしたり、睡眠不足で体力が低下しがちです。休息や睡眠が少しでも取れる方法を紹介します。

  • 赤ちゃんが寝ているときは自分も一緒に寝て、家事は後回しにする
  • 家事の負担を減らすために、食器洗浄機や洗濯乾燥機、ロボット掃除機などを導入する
  • 寝る前は交感神経を刺激しないよう、スマホやタブレットの使用を控える
  • 温かい飲み物を飲んでリラックスする

栄養バランスの取れた食事

産後にすばやく体力をつけるためには、栄養バランスのいい毎日の食事が欠かせません。特に授乳中は、タンパク質、ビタミンA、ビタミンC、葉酸、鉄を積極的に摂取しましょう。

タンパク質
体をつくる材料になる。肉や魚、乳製品、卵、大豆食品など
ビタミンA、ビタミンC
のどや鼻などの粘膜の健康維持を助けて、菌やウイルスから体を守る。緑黄色野菜や果物のほか、ビタミンCはじゃがいもやカリフラワーといった淡色野菜にも多く含まれる
葉酸
母乳をつくるもとになり、造血効果もある。野菜や果物、豆類に多く含まれる
授乳によって失われる鉄分を補い貧血を防ぐ。カツオ、キハダマグロ、ほうれんそう、小松菜などに多く含まれる。

家事に育児に忙しく、外食やお惣菜などが続いたときは、補助的にサプリメントで摂取するのもよいでしょう。

適度な運動

体を休めることは大事ですが、まったく活動しないと体力は低下する一方です。適度な運動は血行をよくし、筋力の回復を早めます。産後1か月健診で医師から「問題なし」と診断されてから、体に負担が少ない運動から始めてみましょう。

ヨガ、ストレッチ、ウォーキングなどの運動がありますが、おすすめはバランスボール。座ったままの動作で前身の血行を促進でき、脚や骨盤周辺を支える股関節の筋力を鍛えることができます。赤ちゃんの首をしっかり支えて抱っこしながら行えば、赤ちゃんにとってはゆりかごのような状況になります[1]。

生活リズムの乱れでストレスもたまりやすい時期です。気分もすっきりし、ストレス解消にもなるでしょう。

体の回復には自分一人でがんばりすぎないことも大切

出産を終えた体は大きなダメージを受けています。自分の体が今どんな状態であるか、どのくらいつらい状況であるかを夫や周囲に伝え、理解してもらいましょう。以下のように頼れるものには頼ることが、体の負担やストレスを軽減し、回復を早めることにつながります。

  • 買い物は宅配サービスを利用
  • 洗濯・洗い物・掃除などの家事や上の子どもの面倒は夫に頼む
  • 食器洗浄機、ロボット掃除機などの家電をとり入れる
  • 住んでいる自治体のファミリーサポートなど、育児支援の有無を調べる
  • 友人に話を聞いてもらう

まとめ

産後は赤ちゃんのお世話でたいへんなうえに、それまでいわゆる「産後ハイ」で気づかなった産後の体力の低下を実感すると落ち込むこともあるでしょう。精神的にも不安定になりやすい時期ですので、睡眠、食事、運動に関してはできることから実践しつつ、一人でがんばろうとし過ぎず、周囲にサポートを求めましょう。このタイミングで里帰りから戻る人もいることと思いますが、体はまだまだたいへんな時期です。周りも理解し、積極的にサポートすることが大切です。それが心身の回復への、一番の近道です。

参考文献

  1. [1]早稲田大学スポーツ科学未来研究所. "産後女性の身体的状況把握及び産後運動ケア実践の提案" 早稲田大学. https://www.waseda.jp/inst/cro/assets/uploads/2016/04/f0d04c10d8d52364f9ee19497ab725ef.pdf(参照2018-03-23)

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