妊婦の栄養と健康管理
2018.03.30

妊婦のむくみを解消するマッサージなどの対策法

妊婦は足がむくみやすい状態に置かれています。ここでは、妊婦がむくみ(浮腫)を起こしやすい2つの理由と、その対策としてのマッサージ方法などについて、ドクター監修のもと解説します。

足がむくむと靴がきつくなったり、足のだるさで寝つきが悪くなったり、不快になってしまいますよね。むくみを防いで、心地よいマタニティライフを目指しましょう。

妊娠中にむくみやすいのはなぜ?

妊婦、特に妊娠後期においては、足がむくみやすくなります。その理由は大きく2つあり、ひとつは体液の増加、もうひとつは子宮の増大です。

体液の増加

妊娠すると、胎児に栄養を運ぶために血液量が増加します。心臓は拍出量を増やし、増えた血液をきちんと体内に循環させます。また妊娠中は女性ホルモン(エストロゲン)やアルドステロンが多く分泌されており、体内に水を溜め込もうとします。このように体液量が増えるため、妊娠していないときよりもむくみ(浮腫)が起きやすい状態になっています。

子宮の増大

赤ちゃんの成長にともなって大きくなった子宮も、足のむくみの原因になります。足の血管を流れている血液が心臓に戻るのを、大きくなった子宮が邪魔するような位置関係になってしまうからです。

通常なら、心臓は全身に向けて一生懸命に血液を流し、足は筋肉の力で血液を押し戻す、というバランスが取れていてむくみは起きません。しかし足と心臓の間に大きな子宮があると、足から戻ってくる静脈の流れが滞って、足に血液が溜まってしまいます。そうすると、血液から組織へ染み出す水分が増えてしまい、むくみとなって現れてしまうのです。

組織へ染み出した体液は、いずれリンパ管を通って回収されていきます。しかしリンパ液は、血液と違って流れる速度が遅いため、すぐにむくみが解消されないのです。

むくみを解消するにはどうしたらいい?

妊婦の足のむくみは、いくつかの方法で解消できます[1]。

足を高く上げて寝る
重力の関係で、足の血液が心臓の方に流れやすくなります。
足の屈伸運動
筋肉を収縮させることで、足の血液を戻すことができます。
弾性ストッキング
締め付ける力の大きいストッキングをはくことも、足のむくみを解消するよい方法です。外部から足に圧力を加えることで、足の血液を心臓の方に戻します。

むくみ対策としての足のマッサージ

足に適切な圧力を加えることがむくみ対策になることから、足のマッサージもむくみの解消方法のひとつとして期待できるかもしれません。上記で紹介した方法に加えて試してみてもいいでしょう。

家庭でできる足のマッサージ

下記の手順で、足のつま先から太ももまでのマッサージを行います。ただし、あまり力を入れすぎないようにしてください。

  1. 足の甲を、つま先から足首の方に向けてマッサージします。
  2. ふくらはぎを両手ではさんで、足首からひざへと流すようにマッサージします。
  3. ひざから太ももの半分まで両手で流すように、下から上へマッサージします。太もも全体を触るようにするといいでしょう。

外で行う妊婦マッサージは?

巷にはいわゆる「妊婦マッサージ」(マタニティマッサージ)を行ってくれる施設やお店があります。足のマッサージのみならず、腰痛や肩こりの解消法として興味を持っている人は多いのではないでしょうか。家庭でのマッサージでは満足できないようなら、このようなサービスを検討してもよいでしょう。

ただし妊娠中の身体は、通常の状況とは違います。マッサージを受ける前に主治医から了承を得ているか、安定期に入っているか、妊娠の経過や体調はどうか、などを確認したうえで行うことになります。まずはマッサージを受けていいか、主治医に相談してみましょう。

まとめ

妊娠中、特に中期から後期にかけては足がむくみやすい状態になります。そんなとき、足を高く上げる、足の屈伸運動をする、弾性ストッキングをはくという対策に加え、足のマッサージを行ってもよいでしょう。もし自分ではなく施設やお店でのマッサージを希望する場合は、まず医師に相談して許可を得てください。

参考文献

  1. [1]森恵美ほか. 母性看護学各論 母性看護学2 系統看護学講座. 第13版. 医学書院 2017;162

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