妊婦の栄養と健康管理
2018.03.30

妊婦の便秘にビフィズス菌は効果的?

便秘に悩む妊婦さんは多いのではないでしょうか。妊娠中に便秘になりやすい理由や、便秘に対するビフィズス菌の効果について解説していきます。

監修医師

監修 管理栄養士  中川明子

多くの妊婦さんが、妊娠中に便秘を経験するといわれています。便秘の解消法としてビフィズス菌は効果的なのでしょうか。ここでは、いくつか考えられる便秘の原因について解説し、ビフィズス菌の効果についてお伝えします。

妊婦が便秘になりやすいのはなぜ?

妊娠中に便秘になりやすい理由には主に「ホルモンバランスの変化」「胃腸の圧迫」の2つが挙げられます。便秘のメカニズムと、その他に考えられる便秘の原因について解説します。

ホルモンバランスの変化

妊娠すると、黄体ホルモンが増加します。黄体ホルモンは、妊娠を維持するために子宮筋を緩めますが、同時に消化管の筋肉も緩めてしまうため、腸の蠕動(ぜんどう)運動が弱まってしまいます。そのため、便が腸に長くとどまることになり、便の水分量が減って硬くなり出づらくなってしまいます。

子宮による胃腸の圧迫

妊娠週が進むにつれて赤ちゃんが成長し、子宮が大きくなることで、物理的に腸が圧迫されて便が押し出されにくくなります。特に妊娠後期になると、腸はますます圧迫され便秘になりやすくなります。

つわりや運動不足が要因になることも

つわりの時期は、食事が十分に取れなくなり便の材料となる食物繊維が不足し、便のカサが減りがちです。また、嘔吐により水分が失われ脱水になることで、便が硬くなります。また、運動不足で腸の動きが悪くなることも、便秘につながります。

妊娠中の便秘にビフィズス菌は効果的?

最も大切なのは食事によるアプローチ

便秘は、何か特定の成分を摂っただけでは改善されません。最も重要なのは、毎日の食事です。

  • 野菜・果物・海藻・豆類など食物繊維を多く含む食べ物を意識的に摂って、腸内の善玉菌のエサを補給することで、腸内環境を整える。
  • 水分をこまめに補給して、便を硬くしない。

上記のポイントをおさえた食生活を送ったうえで、ビフィズス菌などの便秘に効果があるとされる成分を摂り、便秘解消をサポートしましょう。

便秘の予防・改善に期待?ビフィズス菌の効果とは?

ビフィズス菌は、人や動物の腸内に生息する代表的な善玉菌です。乳酸だけでなく、より殺菌力の強い酢酸も産生するため、腸内を清潔に保つ力が強く腸内環境を整えるのに重要な菌といえます。ビフィズス菌により、腸内の悪玉菌が抑制され、悪玉菌からつくられる腸内腐敗産物が減り、腸内環境が改善されることで排便状態が改善されます。ビフィズス菌を摂ることで、便秘の予防・改善効果が期待できるといえます[1] 。

ビフィズス菌はどう摂取する?

ビフィズス菌は人や動物の腸管内にしか生息しておらず、加工していない食材には含まれていません。最近では、ビフィズス菌を配合したヨーグルトや飲料、サプリなどが登場しているので、そういった商品を活用しましょう。

妊娠中の便秘を予防・改善する食事以外のポイント

妊娠中の便秘を解消するには、食事以外でも工夫すべきポイントがあります。適度な運動で腸のはたらきを活性化させ、便秘の予防・改善に役立てましょう。また、規則正しい排便習慣を心掛けることも大切です。朝食後、しばらくすると胃腸の動きが活発になり、やがて便意を感じます。そのタイミングを逃さないように便座に座ることが規則正しい排便習慣を促します。

便秘を予防・改善することで、妊娠中の便秘から派生する痔を予防することもできます。

ママの腸内環境は赤ちゃんにとっても重要!

腸内フローラという言葉を聞いたことがあるでしょうか。腸の中には様々な細菌が種類ごとにまとまって生息していて、まるでお花畑のようであることから、腸内細菌の様相を腸内フローラ(フローラ=花畑)と呼んでいます。子宮の中で、無菌状態で育った赤ちゃんは、産道を通って生まれるときに初めて母親の細菌に接触します。生後、赤ちゃんの口や鼻から入り込む細菌より、母親由来の細菌のほうが定着しやすいので、赤ちゃんの腸内フローラは母親の腸内フローラに類似するといわれています[2] 。

ママの腸内フローラが赤ちゃんにコピーされるとしたら、ママの責任は重大です。妊娠を望む女性は、赤ちゃんのためにも腸内フローラを整えておきましょう。

まとめ

妊娠中の便秘の予防・改善にも、食生活は重要です。食生活を整え、食物繊維や水分を意識的に摂ることに加えて、ビフィズス菌の摂取も効果的であるといえます。食事だけで便秘を予防・改善するのは難しいので、適度な運動や規則正しい排便習慣をつけることもあわせて行いましょう。赤ちゃんの腸内環境は母体に類似しやすいので、赤ちゃんのためにも妊娠の可能性のある女性は、腸内環境を整える生活を心がけることが大切です。

参考文献

  1. [1]腸内細菌学会. "ビフィズス菌はヒトの腸管内でどのようなはたらきをしているのでしょうか。" 公益財団法人日本ビフィズス菌センター/腸内細菌学会. http://bifidus-fund.jp/FAQ/FAQ_04.shtml(参照2018.3.14)
  2. [2]有田孝司. "妊娠と出産の腸内環境について" 腸Beautiful No.4 平成21年9月9日発行 http://e-seikyo-hp.jp/medical/pediatrics/b2009.pdf(参照2018.2.18)

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