免疫
2018.03.30

NK(ナチュラルキラー)細胞とは?働きとメカニズム

免疫システムで重要な働きをしているNK(ナチュラルキラー)細胞。名前は聞いたことがあるけれど、どのような働きをするか具体的にはわからない、という方もいるでしょう。NK細胞の働きと、健康につながるメカニズムについて説明します。

体に浸入するウイルスと細菌

免疫細胞のひとつであるNK(ナチュラルキラー)細胞は、体の健康を守るうえで欠かせないものです。その働きと体を守るメカニズムについて、具体的な免疫システムとともに説明します。

免疫細胞の分類と働き

そもそも、免疫とはどのようなシステムなのでしょうか。NK(ナチュラルキラー)細胞の働きについて理解を深めるためにも、まずは免疫システムについて簡単に知っておきましょう。

免疫とは

私たちの体には、体内にウイルスや細菌などの異物が侵入したとき、これらを排除して体を守る抵抗力が備わっています。これを「免疫」と呼びます。

免疫で中心的な役割をするのは、血液中にある白血球です。白血球に異物が侵入したことを伝える役割をするのが樹状細胞(じゅじょうさいぼう)で、この2つを総称して免疫細胞と言います[1]。免疫は、大きく自然免疫と獲得免疫に分かれます。

自然免疫について

体に侵入した異物をいち早く察知し、これの排除に働く免疫細胞を自然免疫と呼びます。体内をパトロールし、ウイルスに犯された細胞や細菌を見つけると即座に破壊に向かうため、健康を維持するために常に臨戦態勢を整えている仕組みと言えます。代表的な自然免疫にはマクロファージ、好中球、樹状細胞があり、NK細胞もここに含まれます。

獲得免疫について

自然免疫からもたらされる情報に基づき、特定の異物の排除に働く免疫細胞を獲得免疫と呼びます。つまり、「よくあるパターン」ではない、特殊な異物を排除する免疫システムです。自然免疫が判別できない特異的な異物(病原体)を見分け、それを記憶することで、次に同じ病原体に出会ったときに効率的に排除します。

一度獲得免疫が成立してしまえば、その病原体のことを長期間にわたり記憶しておけるというのも大きな特徴です。感染症の予防接種は、ワクチンによって獲得免疫に病原体を覚えさせ、これが侵入してきたときに効率的に働けるようにするものです。

獲得免疫に特異的な異物を伝えるのは、マクロファージや樹上細胞などの自然免疫です。自分では破壊すべきか判断できない異物が侵入してくると、これを獲得免疫に伝えて排除に向かわせます。獲得免疫を担うのは、T細胞(ヘルパーT細胞、キラーT細胞、Treg細胞)とB細胞です。

NK細胞の働きと予防のメカニズム

それでは、自然免疫のひとつであるNK細胞は、具体的にどのような働きをして体を守っているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

NK細胞は、血液中にあるリンパ球の10~30%を占める大型のリンパ球です。血液に乗って体内を巡回し、「NKレセプター」と呼ばれるタンパク質を用いて健康な細胞と犯された細胞を見分けます。そして、ウイルスに感染した細胞やがん化した細胞を見つけると、破壊に向かいます。

また、IFN-γという物質を出して他の白血球(=援軍)を呼び、破壊・排除を進める働きもします。ウイルスなどに犯された細胞を見つけるとすぐに攻撃する特徴を持つため、自然免疫の中でも即戦力に入り、感染症の予防や早期回復にはNK細胞の活性が重要になると考えられます。

実際に、NK細胞が欠損したマウスでは、ウイルスが排除できずに生存率が著しく下がったことや、がんの転移が進んだことが実験として報告されています[2]。

このように、NK細胞は体の健康を保つ上で非常に重要な働きをする免疫システムと言えます。

まとめ

健康を維持するうえで欠かすことのできない仕組みである免疫。大きくは自然免疫と獲得免疫に分かれますが、ウイルスに犯された細胞やがん化した細胞をいち早く見つけ、破壊に向かうNK細胞は、自然免疫の中でも即戦力と言えるでしょう。特に、ウイルス感染症の予防や早期回復には欠かすことのできない免疫システムと言えます。

免疫力は普段から高めておくことが重要です。免疫力をアップさせる食べ物と生活習慣については『免疫力をつけるために効果的な食事と生活習慣』をご覧ください。

参考文献

  1. [1]免疫療法もっと詳しく知りたい方/国立がん研究センター http://ganjoho.jp/public/dia_tre/treatment/immunotherapy/immu02.html
  2. [2]ナチュラルキラー(NK)細胞とは? 反町典子 http://www.jsi-men-eki.org/general/qa_pdf/sorimachi.pdf

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