肌荒れ
2018.02.28

肌フローラとは?皮膚常在菌のバランスを保つ方法

肌フローラという言葉を耳にしたことがある方もいるかと思います。これはいったいどういうもので、どのような役割を持っているのでしょうか。肌荒れとの関係と、健やかな肌を保つ方法についてお伝えします。

腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう)を表す腸内フローラという言葉を耳にすることが多くなりましたが、肌フローラという言葉があることもご存知でしょうか。ここでは、肌フローラとはいったいどのようなもので、どのような役割を持つのか。また、肌荒れや健やかな肌との関係についてお伝えします。

肌フローラ(皮膚常在菌叢)とは

肌フローラとは、皮膚の表面に定住している細菌の集合体のことを指す言葉です。腸内細菌叢のことを腸内フローラと呼ぶようになったことから、皮膚常在細菌の生態系のことも肌フローラと呼ぶようになったようです。個人差はありますが、肌にはおよそ1,000種類の細菌がいるといわれています。細菌によって異なる場合もありますが、皮膚常在菌は主に皮膚のバリア機能を担い、外的刺激から肌を守る働きをしています。

代表的な3つの皮膚常在菌について

それでは、皮膚に常在する代表的な3種類の菌をご紹介します。

表皮ブドウ球菌

皮膚の表面や毛穴に常在する菌です。汗や皮脂をエサにしてグリセリンや脂肪酸を作り出します。グリセリンには皮膚のバリア機能を保つ効果が、脂肪酸には肌を酸性に保ち有害な菌の増殖を防ぐ効果があります。

アクネ桿菌

酸素を嫌う菌なので、毛穴や皮脂腺に存在しています。表皮ブドウ球菌同様に酸性物質を作り出し、皮膚表面を酸性に保つことで皮膚に付着する病原性の強い菌の増殖を抑える役割を担っています。ただし、皮脂の分泌量が増えたり毛穴がふさがることで増えすぎてしまうと、ニキビの原因となります。

黄色ブドウ球菌

皮膚表面や毛穴に存在します。皮膚がアルカリ性に傾くと増殖して皮膚炎を引き起こしたり、傷がある場合は悪化や化膿の原因となり得る菌です。

肌フローラのバランスがくずれる主な要因

肌では通常、上記のような皮膚常在菌がバランスを保って存在しており、このバランスが保たれる=健やかさが保たれることになります。しかし、何かしらの原因で肌フローラのバランスが乱れると、皮膚のトラブルにつながります。たとえば、表皮ブドウ球菌は皮膚の角質層と呼ばれる部分に常在しているので、過剰な洗浄などで必要な角質まで落としてしまうと、表皮ブドウ球菌も減少してしまいます。すると、アルカリ性を好む病原性の強い細菌が増殖しやすくなります。また、まちがったスキンケアやストレスなどによって皮脂の過剰分泌が起こると、アクネ桿菌が増殖してニキビを招きやすくなります。傷を放置すると黄色ブドウ球菌が増殖し、悪化や化膿を招く場合があります。

肌荒れを予防・改善する方法

では、肌荒れを防止するにはどうすればいいのでしょうか。皮膚常在菌のバランスを保つ方法とともに、体の中からアプローチする方法もご紹介します。

正しいスキンケアで皮膚常在菌のバランスを保つ

肌荒れを起こさないためには、皮膚常在菌のバランスを保つことがもっとも大切です。そのためには、毎日正しいスキンケアを行う必要があります。スキンケアの基本は、洗浄、保湿です。洗浄の際は、摩擦による刺激をできるだけ少なくするよう、十分に泡だてて汚れを包み込むようにやさしく洗いましょう。洗い残しのないよう、しっかりすすぐことも大切です。冷たすぎたり熱すぎると肌に負担がかかるので、すすぐ水の温度には気をつけましょう。

肌を洗うと、汚れとともに皮膚のバリア機能を担う皮脂やNMF(天然保湿因子)も一緒に落とされるので、乾燥を防ぐためにも洗浄後はしっかり保湿しましょう。化粧水は一般的に「収れん」といって、皮膚表面を整え、そのあとに使用する美容液や乳液などの浸透を助ける働きがあります。皮膚に刺激を感じないものを選びましょう。その次には、セラミドなどに代表される角質層にきちんと浸透する成分が含まれる美容液や乳液をたっぷりと。さらに、目元や口元、手指や足指など皮脂腺が少ない部分は、足りないようならクリームなどを足してあげることが大切です。逆にニキビなどの吹き出物が気になる場合には、その部分は油分が多いものは避けましょう。

体の内側からアプローチする方法も

研究により、食事から摂取する栄養素が皮膚の健康に関係することが示唆されています。たとえば、乳酸菌抽出物が乾燥傾向にある皮膚の保湿能を高めるということが実験で明らかになったことが報告されています。[1]また、ストレスや睡眠不足、ホルモンバランスの乱れが皮膚常在菌のバランスを乱す原因となることも示唆されています。乳酸菌抽出物においては特定の肌荒れを予防改善する研究なので、皮膚常在細菌との関係についてはっきりしたことはわかっていませんが、肌荒れの予防や改善には食事や睡眠、ストレス解消など体の内側からのケアも重要と言えます。

まとめ

腸と同様、皮膚にも常在菌が存在しており、その生態系を肌フローラと呼ぶこともあります。肌フローラのバランスは肌の健康に密接に関係しています。バランスを保つためには毎日の正しいスキンケアがもっとも重要ですが、食生活や生活習慣などが関係する場合もあることから、内側からのアプローチも軽視することはできません。体の外と中、両方からのアプローチを心がけ、健康な肌を保ちましょう。

参考文献

  1. [1]乳酸菌抽出物(LFK)摂取が皮膚の保湿能と色素沈着に及ぼす影響 http://www.jcam-net.jp/data/pdf/09052.pdf

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