ロタウイルスとノロウイルス
2018.04.27

ノロウイルスが流行る時期と感染の予防方法

ノロウイルスは年間を通して発生していますが、1年のうちで感染症が特に流行する時期があります。ここでは、ノロウイルスの主な流行時期と感染症のピーク時期、その理由と感染の予防方法についてお伝えします。

除菌グッツの画像

年間を通して常に発生しているノロウイルスですが、毎年感染症の流行やピーク時期があります。過去の流行とピーク時期、流行を防げない理由と感染の予防方法についてお伝えします。老若男女誰でも感染しやすいウイルスなので、ウイルスの特徴を知ってしっかり対策しましょう。

ノロウイルスが発生・流行する時期と理由

まずは、ノロウイルスによる食中毒の発生件数が増える時期と、その理由について説明いたします。

流行のピークは?過去3年間の食中毒発生件数

平成26年(2014年)~28年(2016年)の、ノロウイルスによる月別の食中毒発生件数をまとめました。[1]

平成26年(2014年
1月:事件数92件/患者数4709件
2月:事件数38件/患者数1297件
3月:事件数56件/患者数1672件
4月:事件数22件/患者数598件
5月:事件数7件/患者数98件
6月:事件数2件/患者数32件
7月:事件数3件/患者数54件
8月:事件数4件/患者数159件
9月:事件数1件/患者数24件
10月:事件数2件/患者数47件
11月:事件数18件/患者数402件
12月:事件数48件/患者数1414件
平成27年(2015年)
1月:事件数124件/患者数3787件
2月:事件数114件/患者数2524件
3月:事件数94件/患者数3792件
4月:事件数24件/患者数790件
5月:事件数13件/患者数333件
6月:事件数13件/患者数345件
7月:事件数9件/患者数178件
8月:事件数10件/患者数472件
9月:事件数2件/患者数45件
10月:事件数11件/患者数349件
11月:事件数29件/患者数1057件
12月:事件数38件/患者数1204件
平成28年(2016年)
1月:事件数72件/患者数1923件
2月:事件数54件/患者数1298件
3月:事件数57件/患者数1819件
4月:事件数22件/患者数774件
5月:事件数10件/患者数449件
6月:事件数12件/患者数214件
7月:事件数3件/患者数135件
8月:事件数2件/患者数50件
9月:事件数4件/患者数59件
10月:事件数12件/患者数192件
11月:事件数30件/患者数1339件
12月:事件数76件/患者数3145件

過去3年間の発生件数を見てもわかるように、ノロウイルスによる食中毒は12~2月頃をピークに11~3月頃の比較的寒い時期に多くなる傾向にあります。また、ノロウイルスが原因の食中毒は、他の食中毒に比べて多いこともわかっています。[1]

ノロウイルスが冬に流行するのはなぜ?

ノロウイルスはノンエンベロープウイルスと呼ばれる、アルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高いウイルスです。乾燥にも強く、感染力を維持したまま空気中に長くただようことができるため、自然環境下でも長期間の生存が可能です。また、ノロウイルスは小腸粘膜の上皮細胞でのみ感染・増殖する(=局所感染を起こす)ため、一度感染しても免疫は短期間でなくなり、感染をくり返しやすいのも特徴です。

冬に流行しやすい理由としては、ウイルスが乾燥に強いこと、主な原因食品のひとつである生牡蠣が旬であること、また、免疫が下がりやすい時期でもあることから、他の時期より感染しやすく、広がりやすいと考えられています。

夏にも対策はするべき?

夏は感染の広がりがもっとも少ない時期ではありますが、ウイルスが発生していないわけではないので、予防対策はしておく方がいいでしょう。また、夏は細菌による食中毒が増える時期でもあります。ノロウイルスに限らず、食中毒の予防は年間を通して行いましょう。

ノロウイルスによる食中毒の症状

ノロウイルスによる食中毒を発症すると、主に強い吐き気と嘔吐、腹痛、下痢の症状が見られます。他のウイルスや細菌による食中毒でも同じような症状が見られますが、ノロウイルスの場合は激しい吐き気や嘔吐の症状が急激に起こるのが特徴と言えます。発熱が見られることもありますが、軽度の場合がほとんどです。この他、頭痛や筋肉痛、大人の場合は腹部膨満感を覚えることもあるようです。

感染しても症状が出なかったり、軽い風邪のような症状が出るだけのケースもあります。これを不顕性感染と言います。症状が出ていなくても便などにウイルスは含まれるので、気づかないうちに感染を広げてしまう危険性があります。そのため、身近に感染者がいる場合は、自分も感染している可能性があることを意識して行動する必要があります。

ノロウイルスの感染を予防する方法

ノロウイルスは、多くの場合汚染された飲食物(二枚貝や水)を十分に加熱せず食べたり、ノロウイルスに汚染した手で調理した食品を食べたり、便や吐しゃ物など、ノロウイルスを含むものに接触した手を介して感染します。ここからは、ノロウイルスの感染経路に基づく感染の予防法と、身近に感染者が出た場合に感染の拡大を防ぐ方法についてお伝えします。[2]

予防法1:十分に加熱して食べる

ノロウイルスは熱に強いですが、十分な加熱処理で活性を失わせることができます。ノロウイルスに汚染されやすい二枚貝(牡蠣やあさり、しじみなど)は、しっかり火を通して食べましょう。活性を失わせるには、中心部が85~90℃で90秒以上の加熱が必要となります。

予防法2:正しい手洗い・うがいを心がける

ノロウイルスに感染しないようにするには、ウイルスを口に入れないことが大切です。帰宅時やトイレの後、調理や食事前には必ず手を洗い、うがいもこまめに行いましょう。手洗いは、正しい方法で行うことも大切です。

予防法3:調理器具の除菌を心がける

ノロウイルスの感染を防ぐには、身近なものの除菌を心がけることも大切です。特に、食べ物に直に触れる調理器具はこまめに消毒しましょう。一般的な感染症対策としては消毒用エタノールが用いられやすいですが、ノロウイルスにはあまり効果が期待できません。ノロウイルスの活性を失わせるには、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤でも代用可)を使用するか、加熱による処理が必要になります。洗剤を用いて十分に洗浄した後、塩素濃度200ppm(※1)の次亜塩素酸ナトリウムで浸すように拭きましょう。まな板、包丁、食器、布巾などは、85℃以上の熱湯で1分以上加熱することをおすすめします。

※1(ppm):液体の微量な濃度を表す単位。1ppm=1mg=0.0001%で、100万分の1の割合を示す。正式には、parts per million(パーツ・パー・ミリオン)。

予防法4:感染を広げないように心がける

身近に感染者がいる場合は、感染を広げないよう対策することが重要です。ノロウイルスは便や吐しゃ物に多く含まれるため、これを感染源として広がっていく可能性が高くなります。汚物は正しい方法で処理し、こまめに手を洗いましょう。また、汚染個所のウイルスを正しい方法で除去することも大切です。

※ウイルスの除去や正しい手洗いなど、感染を予防するための具体的な方法については『ノロウイルスを予防する正しい殺菌方法』をご覧ください。

まとめ

ノロウイルス感染症は冬に流行しやすい食中毒ですが、ウイルスは年間を通して発生しているため、常に予防を心がけることが大切です。過熱処理や正しい手洗いでしっかり予防し、身近に感染者が出た場合はできるだけ感染を広げないよう、正しく対処するようにしましょう。

参考文献

  1. [1]食中毒統計資料 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/04.html
  2. [2]ノロウイルスに関するQ&A 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/kanren/yobou/040204-1.html

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