ロタウイルスとノロウイルス
2018.03.30

ノロウイルスの回復後におすすめの食事と避けるべき食べ物

ノロウイルスからの回復期では、胃腸はまだ万全な状態ではないため、症状を悪化させないためにも食事には十分な配慮が必要です。食べ始める際の注意点や、回復を促すおなかにやさしい食品や食事をご紹介します。

腹痛や激しい嘔吐、下痢などの症状が特徴のノロウイルス。症状のあるうちは食べ物を受けつけないことが多く、また、無理に食べても悪化させてしまいます。では、ノロウイルスを発症したら、いつからどのようなものを食べればよいのでしょうか。食べ始める目安とおすすめの食事、控えたい食べ物についてお伝えします。

いつから食べ物を摂取してもいいの?

ノロウイルスは、主に手指や食品などを介して経口で感染し、腸管で増殖します。潜伏期間(感染から発症までの時間)は24~48時間で、主な症状は強い吐き気と嘔吐、腹痛と下痢です。発熱が見られることもありますが、軽微なことがほとんどです。

一般的には、これらの症状が1~2日続いた後、自然に回復に向かいます。この間は、スポーツドリンクや経口補水液などで水分補給を行いましょう。無理に固形物を食べることはありません。その際、胃腸に負担を掛けないよう常温で、少量ずつこまめに摂ることをおすすめします。

胃が受けつけるようであれば、具なしの味噌汁やスープなど、温かい飲みものもよいでしょう。ただし、嘔吐がひどい場合は、水分でも受けつけずに吐いてしまうことがあります。水分補給は突き上げるような吐き気が落ち着いた頃から始め、一口ずつゆっくり飲むようにしてください。

基本的に、症状のあるうちは食事のことはあまり意識せず、水分摂取だけに気をつけましょう。無理に食べようとすると胃腸の炎症を助長させて症状の悪化を招く可能性があります。症状がある程度落ち着いて食べられそうになってきたら、おかゆなど消化のよいものから少しずつ食べてみましょう。

ただし、激しい嘔吐や下痢をくり返したことで胃腸はとても弱っており、体力や体の抵抗力も落ちています。そのため、症状が落ち着いたとしても、食べ物を入れるとまた嘔吐してしまうことがあります。戻してしまうようであれば、中断して胃腸を休ませ、症状が治まるのを待ってください。このように、弱まった胃腸を少しずつ食べ物に慣れさせていくことが大切です。

ノロウイルスの回復後におすすめの食事

食事は、食欲や体の状態に合わせて行うことが基本です。消化によく、かつエネルギーを摂りやすいものを意識的に選びましょう。弱った胃腸に負担を掛けないよう、やわらかくてのどごしがよく、薄味に調理した食事がおすすめです。回復期に食べるとよい食事例をご紹介します。

おかゆやうどん

体力の回復を促すには、消化のよい炭水化物でエネルギーを補給するのが一番です。おかゆやうどんなどをやわらかく調理して食べるとよいでしょう。

バナナなどの果物

消化のよいバナナやりんごなどの果物で栄養補給するのもおすすめです。バナナに含まれるブドウ糖や果糖は消化吸収にすぐれ、1本でご飯半杯分に相当するほどカロリーが高いです。栄養価が高く消化吸収にもすぐれるので、お手軽かつ即効性の高いエネルギー源としておすすめです。

また、水分代謝を促すカリウムが豊富で、代謝を上げるビタミンB1、B2、抗酸化作用のあるビタミンCも多く含みます。食物繊維のペクチンや、腸内で善玉菌を増やすオリゴ糖も含まれるため、腸内環境を整えるサポートにもなります。

ゼリー

ゼリーはのどごしがよく食べやすい食品です。市販の栄養補給を目的としたゼリーなどは消化も良く、効率よく栄養補給できます。果肉が入ったゼリーはビタミンを多く摂れていいですが、みかんなど消化の悪い果物が入ったものは避けた方がよいでしょう。

ヨーグルト

牛乳などの乳汁を発酵させて作るヨーグルトは、製品によってさまざまな種類の乳酸菌が含まれます。それぞれ違った性質や風味を持ちますが、その全てが腸内で善玉菌を増やし、腸内環境を整えるサポート効果が期待できます。

また、ヨーグルトは牛乳の良質なタンパク質やカルシウムをそのまま含むだけでなく、乳酸菌がタンパク質や乳脂肪分の分解を助けてくれるため、消化吸収にも優れています。口当たりがやわらかで食べやすいため、ノロウイルス胃腸炎の回復におすすめの食品のひとつです。

ただし、冷たい状態で食べるとおなかが冷えてしまうので、常温に戻すか、器に移してレンジで軽く(500~600Wで40秒前後に)温めて食べることをおすすめします。

ノロウイルスの回復後に避けるべき食べ物

ノロウイルス胃腸炎の回復期はもちろん、回復した後も、ある程度の期間は胃腸に負担を掛ける刺激物や消化の悪いものは避けることをおすすめします。特に避けたい食べ物をまとめました。

脂身の多い肉

肉類は高栄養ではありますが、消化しにくく脂分が多いことから胃腸への負担が大きい食品です。食べる場合は脂分の少ない鶏ムネ肉やささみなどを選び、しっかり加熱してください。脂身の多い肉類や部位は、できるだけ控えましょう。

生卵

卵はひながかえるのに必要な栄養素が凝縮されているため、ほぼ完全な栄養食品と言えます。必須アミノ酸をバランスよく含むだけでなく、良質なタンパク質やビタミンA、ビタミンB群も含むなど、理想的な栄養食品です。ただし、生卵は消化に悪いので避け、必ず火を通して食べましょう。おかゆやうどんなどに加えるといいでしょう。

納豆

発酵食品である納豆は高栄養食品ではありますが、消化しづらい食べ物です。回復直後は避けた方がよいでしょう。ただし、エネルギー代謝を促すビタミンB2や抗酸化作用のある大豆イソフラボン、酵素納豆キナーゼなどを含む体によい食品なので、体調が万全に戻ったら積極的に食べてください。

菓子パン・惣菜パン

一般的に、パンは消化に悪いものではありません。そのため、全てのパンを避ける必要はありませんが、菓子パンや惣菜パンなど、糖分(砂糖)や脂肪分を多く含むパンは消化に悪いので控えるようにしましょう。食パンや白パンなど、消化によいパンは食べても大丈夫です。

まとめ

ノロウイルス胃腸炎の回復期や回復直後の食事は、弱った胃腸に負担をかけないことがもっとも大切です。嘔吐の症状が落ち着いた頃から、消化のよいものを少しずつ食べ始めましょう。

食べ物を入れることで嘔吐の症状が再発するような場合は、食事をやめて経口補水液やスポーツドリンクなどによる水分補給で様子を見てください。体の調子に合わせて少しずつ食事にチャレンジし、胃腸を慣れさせていきましょう。

あまりに嘔吐がひどくて水分も摂れない場合は、点滴が必要になることもあるので病院を受診してください。

参考文献

  1. ・ノロウイルスに関するQ&A 厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11130500-Shokuhinanzenbu/0000129187.pdf
  2. ・あたらしい栄養学/高橋書店2017年
  3. ・食品成分表2017/実教出版
  4. ・NIID 国立感染症研究所 https://www.niid.go.jp/niid/ja/iasr-sp/2297-related-articles/related-articles-413/4798-dj4131.html
  5. ・東京都病院経営本部 http://www.byouin.metro.tokyo.jp/eiyou/kaiyou.html

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