風邪
2018.01.31

疲労による発熱の原因と症状や治し方

鼻水、鼻づまり、喉(のど)の痛みや咳(せき)など、風邪(かぜ)の一般的な症状がないのに発熱が続く場合は、もしかしたら疲労が原因かもしれません。ここでは、疲労が発熱を起こす原因や対処法について説明します。

熱があるのに他にこれといった症状が見られないと、何が原因か不安になることもあるでしょう。風邪(かぜ)の諸症状がなく発熱だけが見られるときは、もしかしたら疲労が原因となっているかもしれません。疲労やストレスがたまりがち、最近疲れ気味という人は、これらによる体調不良を疑ってみてもいいでしょう。疲労と発熱の関係と、対処法について説明します。

疲労が発熱を起こすことがあるのはなぜ?

熱が出ると、真っ先に風邪やインフルエンザなどの感染症を疑いがちですが、発熱の要因はさまざまです。場合によっては、疲労が発熱を誘引することもあります。まずは、社会生活において疲労をもたらしやすい主な要素と、発熱との関係を見ていきましょう。

疲労はストレスをもたらす

仕事の量や質、人間関係による肉体的、精神的な苦痛は疲労をもたらし、これはストレスにつながります。ストレスが過剰になると、体はこれに対処しようと交感神経を活発に働かせます。これにより、体温が上がって発熱の症状が出ることがあります。これを、心因性発熱、ストレス性高体温症などと呼びます。[1][2]

ストレス性の熱には、39℃前後の高熱が出る場合と、37℃前後の微熱が続く場合の2パターンがあります。前者は、仕事や授業、対人、極度の緊張がもたらされる場面など、精神的な活動をするときに一時的に高熱が出ることがあります。後者は、仕事量や質が能力に見合わない、介護などで疲れているなど、慢性的なストレスを抱えている場合に起こります。微熱が続くとともに、頭痛や倦怠感がともなうこともあります。

ストレスによる熱は、解熱剤を服用しても下がりません。これは、解熱剤は炎症を抑えることで熱を下げるよう作られていますが、ストレス性の熱には炎症反応がないためです。

睡眠不足が原因になることも

睡眠には心と体の疲れを癒し、回復させる働きがあります。そのため、睡眠不足が続くと心身の回復が難しくなり、疲労が蓄積してしまいます。睡眠不足による疲労は情緒不安定を招くので、ストレスによる発熱につながる可能性があります。また、逆にストレスによって十分な睡眠を得られない場合もあります。このように、睡眠とストレスには相互関係があることを覚えておきましょう。[3]

疲労による発熱の治し方

疲労がもたらすストレス性の発熱には解熱剤は効かないことをお話しましたが、風邪などの感染症による発熱とはそのメカニズムが違うので、当然治し方も変わってきます。

疲労からくる熱を治すには、日常生活のペースダウンと十分な睡眠時間の確保が必須条件となります。[4]そのうえで、安定剤や抗うつ薬、睡眠薬(睡眠に支障がある場合)など、症状に合わせた薬を服用します。また、心理療法やリラクゼーショントレーニングなど、発熱をもたらす原因を取り除いたり、解決をサポートする治療をあわせて行うと効果的です。

日常生活のペースダウンといっても、社会人の場合はそう簡単にいきません。心身に疲労とストレスを抱えていても、仕事量は変わらなかったり、生活も変えられないことがほとんどです。それでも、その生活が体調不良をもたらしていることを理解し、少しでも変えていけるよう努力しましょう。たとえば、以下のような心がけが大切です。

・仕事や家事などの優先順位を決め、必ずやるべきことだけ行い、すべてやろうとしない。

・常に全力を出し切らず、ちょっと余裕があるくらいで行い、疲れたらすぐ休む。

・全力を出していないことに罪悪感を持たない。

・自分は弱い人間だと卑下しない。

また、疲れて休むときは、できるだけ体を横たえることも大切です。横になるだけで、筋肉や交感神経の緊張がほぐれます。

心因性の発熱は、ウイルスや細菌などの原因がなかったとしても病気に違いはありません。たとえば骨折した後のリハビリと同じように考え、今は体を治すことが先決と割り切りましょう。

また、大人だけでなく、子供にも同様の症状が見られる場合もあります。スポーツによる肉体的な疲労だけでなく、学校などの社会生活や対人関係におけるストレスもあるはずです。場合によっては、ストレス性の熱が出ることもあるでしょう。そのときは、大人と同様、日常生活をペースダウンさせ、睡眠をしっかりとらせてあげましょう。また、何が原因かをつきとめ、それに合った対応をすることも大切です。

まとめ

過度の疲労を感じる、疲れがたまっていると感じる。このようなときは、無理をせずにしっかり休みましょう。心身のストレスにつながり、発熱などの症状を誘発する可能性があります。ストレス性の発熱が疑われるときは、生活のペースを落とし、しっかり睡眠をとって、とにかく体を休ませましょう。症状が重かったり続く場合は、専門医に相談し、薬物療法などを受けましょう。

参考文献

  1. [1]ストレスのメカニズムについて/産業医科大学医学部 http://uoeh-neurology.org/activity/1.html
  2. [2]心理ストレスによる体温上昇を駆動する脳の神経経路 http://physiology.jp/wp-content/uploads/2015/01/076060195.pdf
  3. [3]健康づくりのための睡眠指針 2014/厚生労働省 http://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000047221.pdf
  4. [4]休養・こころの健康/厚生労働省 http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b3.html

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