風邪
2017.11.30

大人の発熱時に考えられる主な原因とケア方法

急な発熱や高熱は、ほとんどの場合ウイルスや細菌などの微生物が感染することで起こりますが、まれにそれ以外の原因で発症することもあります。大人の発熱の主な原因と、家庭でのケア方法についてご紹介します。

監修医師

監修 糖尿病専門医  市原由美江先生

発熱が起こったとき、大人の場合はどのような原因が考えられるのでしょうか。主な原因と発熱時の対処法についてお伝えします。

発熱したときに考えられる主な原因

日本の感染症法では、37.5℃以上を発熱、38℃以上を高熱と定義しています。一般的に、35~37℃を平熱と見ることが多いですが、個人差があるため絶対的な基準ではありません。熱が出たかどうかを知るには、日ごろから自分の平熱を知っておくことが大切です。

ほとんどの場合、発熱はウイルスや細菌などの微生物が感染することで起こりますが、まれにそれ以外の原因で熱が出ることもあります。感染症以外の原因には、主に以下のものがあります。

  • 熱中症
  • 膠原病
  • 悪性腫瘍
  • アレルギー反応
  • 薬の副作用
  • ストレス

など

それでは、発熱の誘引となる主な原因について、詳しく見ていきましょう。

感染症による発熱

発熱をもたらすもっとも大きな原因です。主な感染症をご紹介しましょう。

かぜ症候群
鼻腔から咽頭までの気道(上気道)に炎症が起こることで引き起こされます。主な症状は鼻水、鼻づまり、喉(のど)の痛みですが、頭痛や発熱、倦怠感などをともなうこともあります。上気道の炎症が気管や気管支、肺(下気道)まで及ぶと、気管支炎や肺炎などが引き起こされます。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染することで発症します。38℃以上の高熱と頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が急速に出るのが特徴です。鼻水や鼻づまり、咳などの症状をともなうこともあります。
アデノウイルス感染症
アデノウイルスは、気道炎(鼻炎、扁桃炎、咽頭炎など)や胃腸炎、結膜炎、尿路感染症(膀胱炎や腎盂腎炎など)を引き起こすウイルスです。1~51型までの血清型があり、どのような症状が出るかはウイルスの型によって変わってきます。扁桃炎や胃腸炎、腎盂腎炎など、発熱をともなう疾患も多いです。
急性肝炎
主に肝炎ウイルスが感染することで発症します。主な症状には黄疸や褐色尿、吐き気や嘔吐(おうと)、食欲不振、腹痛、全身倦怠感などがありますが、これの前駆症状(前触れとなる症状)として発熱、頭痛、咽頭痛などの症状が表れます。ウイルス感染の他、まれに薬剤やアルコールが原因となって発症することもあります。

熱中症による発熱

気温の上昇や運動などにより、体温が上がることで発症します。熱失神、熱けいれん、熱疲労、熱射病の4段階に区分され、熱射病がもっとも重度です。熱失神と熱けいれんでは体温の上昇はそれほど高くなく、命に関わる危険も少ないです。熱疲労では高熱が出ますが、40℃を超えることはありません。熱射病になると40℃以上の発熱があり、命の危険が高くなります。

膠原病による発熱

膠原病とは、「感染症」のように、いくつかの病気をまとめた総称です。皮膚や内臓の結合組織(膠原線維などからなる部分)や血管に炎症や変性が起こることで、さまざまな臓器に障害が起こる病気です。共通する症状に、発熱や関節炎、全身倦怠感などがあります。これに、皮膚や筋、内臓のさまざまな症状がともないます。

ストレスによる発熱

精神的なストレスで発熱が起こることもあります。正確には、一般的な発熱の基準となる37℃以上の“高体温になる”ということになります。心因性発熱、ストレス性高体温症などとも呼ばれます。熱の出方には、以下の2つのパターンがあるといわれます。

高熱といわれる体温まで一時的に上昇するパターン
ひとつは、仕事や授業、発表や人と会うなどの重要な機会、緊張を強いられる状況など、ある一定の状況で一時的に39℃前後の熱が出るパターンです。状況が過ぎれば熱は下がりますが、原因を解決しないと発熱は何度も起こります。
いわゆる微熱といわれる体温が続くパターン
もうひとつは、過労や介護疲れなど、慢性的なストレスにより37℃前後の微熱が続くパターンです。頭痛や倦怠感などをともなうこともあります。体を休めて体調を戻さない限り、熱を下げることは困難です。

ストレスが原因となる発熱は、解熱剤では下げられません。これは、風邪(かぜ)などのウイルス感染による発熱と、体温が上昇するメカニズムが異なるためです。ストレス性の発熱を改善するには、薬物療法とともに心理療法や自律訓練、ライフスタイルの見直しなどが必要となります。

※ストレスが原因となる発熱について、詳しくは『疲労による発熱の原因と症状や治し方』をご覧ください。

発熱があるときのケア方法

発熱への対処法は、その原因によって変わってきます。主な原因ごとの適切な対応を知っておきましょう。

感染症による発熱の場合

熱が上がりきっていないときは、悪寒や震えが起こることが多いです。寒さを感じないまでに体をしっかり温めてあげましょう。熱が上がりきった後は、適度に冷やします。部屋の温度や服装、布団の枚数を調節し、涼しくしましょう。熱が高いときは、首やわきの下、太ももの付け根を冷やすといいでしょう。汗が出たら体をよく拭き、着替えましょう。

食欲がなければ、無理に食べることはありません。ただし、発熱中は脱水症状が起こりやすいので、水分補給はしっかり行いましょう。スポーツ飲料や経口補水液などがおすすめです。食べられるようになってきたら、体に負担をかけないよう、消化によいものを少しずつ食べましょう。脂肪分の多いものは消化に悪いので、体調が戻るまで控えてください。

熱中症による発熱の場合

熱中症はスポーツ時や高温環境での労働時、生活環境により起こることが多いです。熱疲労や熱射病などの重症にいたるのは、熱中症を発症しても涼しい場所に移動するなどの対策をせず、高温の環境にい続けることが原因となります。熱中症による発熱が疑われる場合は、すぐに涼しい場所に移動しましょう。そして、頭を低くして横になり、体を冷やして水分補給を行います。症状が改善されないときは、すぐに医療機関を受診してください。

その他の発熱の場合

膠原病や悪性腫瘍、アレルギー反応などによる発熱の場合は、その疾患に合った治療や対策が必要となります。治療を受け、医師の指示に従いましょう。ストレスが原因となる発熱の場合は、生活をペースダウンさせ、しっかり休むことが何よりも大切です。睡眠時間も十分にとりましょう。そのうえで、薬物療法や心理療法を受けながら、原因の解決に臨みましょう。

まとめ

発熱の主な原因はウイルスや細菌などの感染によるものですが、全く違う理由で発熱が続いてしまうこともあります。その時々の原因を知り、適切なケアを施すことが、早い回復につながります。疲労によりウイルスなどへの抵抗力が弱まると感染症にかかりやすいので、発熱が見られたら、まずは体を休めることを考えましょう。

参考文献

  1. 発熱の仕組み 小林製薬株式会社
  2. 発熱(樋口 敬和) 日本内科学会雑誌/第100巻 第2号/平成23年2月10日
  3. アデノウイルス感染症について 横浜市衛生研究所
  4. 急性肝炎 国立研究開発法人/国立国際医療研究センター/肝炎情報センター
  5. 熱中症 KOMPAS/慶應大学病院/医療・健康情報サイト
  6. 膠原病 公益社団法人/日本皮膚科学会

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