風邪
2017.11.30

子供の急な発熱や高熱の主な原因と対処法

子供が急に高熱を出すと焦ってしまいがちですが、子供は症状をうまく伝えられないこともあるので、体調の変化を注視してしっかり対応してあげましょう。ここでは、子供の急な発熱や高熱が出る原因と、正しい対処法について説明します。

子供を育てる過程では、心配や不安がつきものです。特に、第一子を育てるときは全てが初めてづくしで、ちょっとしたことでも困惑したり、驚くことも多いでしょう。急な発熱もそのひとつ。赤ちゃんのときほど焦ることはなくなっても、子供が突然高熱を出すと、やはり心配になるものです。ただ、発熱は体温の高さよりも、それにともなう症状や子供の状態の方が重要な判断目安になることが多いです。子供は症状をうまく伝えられない場合もあるので、焦らず冷静に体調変化を観察し、それに合った対応をすることが大切です。急な発熱や高熱の主な原因と正しい対処法を知り、つらい症状を早めに和らげるお手伝いをしてあげましょう。

子供の急な発熱や高熱の原因とは?

発熱と言っても、いったい何度からが熱が出たことになるのか、微熱と高熱の境はどこなのかなど、いろいろと疑問も多いはずです。まずは発熱について知り、子供が熱を出す主な原因について見ていきましょう。

一般的な子供の発熱の定義

一般的に、子供の場合は37.5℃以上を発熱とし、39℃以上を高熱と定義しています(※1)。ただし、これは健康な子供の平均体温から出したものであり、発熱の絶対的な基準ではありません。平熱には個人差がありますし、時間帯によっても変わってきます。また、年齢や測定部位によっても異なります。そのため、子供に熱があるかを正確に判断するには、日ごろからその子の平熱を知っておくことが大切です。

前述のとおり、平熱は時間帯や測定部位によって変わるため、起床時、午前、午後、夜の4回測り、その時間帯ごとの平熱として覚えておくと、より確かです。食べた直後は体温が上がるので、測るのは食前か食間がいいでしょう。また、1日だけでなく、期間をおいて何回か測ってください。

※1:ここで言う子供とは、幼児(1~5歳)から小児(6~14歳)までを指します。

子供の発熱の原因となるもの

では、子供の急な発熱や高熱には、どのような原因があるのでしょうか。

急な発熱や高熱の原因にはウイルスや細菌の感染、熱中症、免疫反応などがありますが、ほとんどの場合はウイルスや細菌の感染によるものです。 ただし、子供は体温調節機構が未熟なので、熱中症にもかかりやすいです。気温が高い時期には、スポーツ時や高温の環境(エンジンを切った車中など)で発症しやすいので、くれぐれも注意してください。熱中症による発熱が疑われる場合は、すぐに涼しい場所へ移動し、頭を低くして寝かせ、体を冷やして水分補給を行いましょう。症状が改善されないときは、すぐに病院に連れて行ってください。

急な発熱・高熱をともなう子供の主な感染症

急な高熱の主な原因となるウイルス・細菌感染。中でも、子供がかかりやすい代表的な感染症をまとめました。それぞれの特徴を見ていきましょう。

ウイルスが原因となる感染症

突発性発疹
突然の高熱が4日ほど続いた後、解熱とともに(もしくは解熱前後に)発疹が出ます。乳幼児期の発症が多く、特に0~1歳までが大部分を占めます。
インフルエンザ
インフルエンザウイルスに感染することで発症します。38℃以上の発熱に頭痛、関節痛、筋肉痛、全身倦怠感などをともない、このような症状が比較的急速に出るのが特徴です。かぜ症候群と同様の症状(鼻水、鼻づまり、咳など)が見られることもあります。
咽頭結膜熱(プール熱)
39℃前後の急な発熱と喉の痛み(咽頭炎)、眼の充血(結膜炎)をともなう感染症です。頭痛や食欲不振の症状が見られることもあります。夏季に、学校などで流行することが多いことから、プール熱とも呼ばれます。
ヘルパンギーナ
39℃前後の急な発熱と喉の痛み(咽頭炎)を起こすウイルス感染症です。熱が1~3日ほど続き、喉に小さな水疱が多発します。水疱は2~3日で黄色い潰瘍になり、それにともない痛みも治まってきます。夏季に流行するため、夏風邪の代表ともいわれます。10歳以下の子供に多く見られます。
手足口病
急な発熱とともに、口の中(口腔粘膜)と手、足に水疱性の発疹が多く見られるウイルス性の感染症です。発疹(水疱)は1週間ほどで自然となくなります。子供の発症がほとんどで、2歳以下が半数を占め、4歳くらいまでによく見られます。
流行性耳下腺炎(おたふく風邪)
春先から初夏にかけて流行する感染症で、ムンプスウイルスに感染することで発症します。急な発熱とともに片側(もしくは両側)の耳の下に痛みをともなう腫れが見られます。2~3日すると両側が腫れ、顎の下まで及ぶこともあります。通常1~2週間で症状は治まってきます。幼児から小児にかけて幅広い年齢に見られ、15歳までの発症が大部分を占めるとされます。
麻疹(はしか)
麻疹ウイルスに感染することで発症します。主な症状としては、38℃前後の発熱と咳、鼻水、結膜炎の症状が2~4日続いた後、一時的な解熱とともに発疹が見られます。その後、発疹の広がりとともに39℃以上の熱が3~4日ほど続きます。通常、1週間~10日ほどで回復します。多くは2歳未満で発症します。感染力が強いため、ワクチンによる予防がすすめられます。
風疹
発熱と発疹、リンパ節の腫れをともなう感染症です。麻疹よりは軽症で、「三日はしか」とも呼ばれます。感染すると必ず熱が出るわけではなく、発熱の症状が見られるのはおよそ半数といわれます。麻疹ワクチンと組み合わせたMRワクチンが一般的な風疹の予防接種となっています。
水痘(みずぼうそう)
水痘・帯状疱疹ウイルスに感染することで発症します。38℃前後の発熱と、3~5mmほどの発疹(水疱)が特徴的な症状です。新しい発疹がどんどんできるので、数日間は紅斑、丘疹(盛り上がった発疹)、水疱、かさぶたと、段階的な症状が混在します。すべての発疹がかさぶたになるまでには、6日ほどを要します。10歳以下の子供の発症が多く、特に2~8歳によく見られるとされます。感染後、知覚神経節に潜伏していたウイルスが大人になって活性化し、帯状疱疹を引き起こすこともあります。

ウイルスの他、細菌なども原因となる感染症

かぜ症候群
感染症の中ではもっともポピュラーなものです。上気道(鼻腔から咽頭までの気道)が炎症を起こすことで、わずらわしい症状が引き起こされます。鼻水、鼻づまり、喉の痛みが主な症状ですが、発熱や頭痛、倦怠感などをともなうこともあります。ほとんどの場合はウイルスによる感染で発症しますが、まれに細菌が原因になることもあります。
気管支炎
かぜ症候群などによる上気道の炎症が、気管支に及ぶことで発症するのが、気管支炎です。咳や痰(たん)の症状に、発熱や倦怠感、食欲不振などをともなうこともあります。かぜ症候群と同様、多くはウイルスが原因となりますが、肺炎マイコプラズマなどが原因となることもあります。
肺炎
ウイルスや細菌が肺に感染すると、肺に炎症が起こります。これが、肺炎です。主な症状としては咳、痰、胸の痛み、息切れ、発熱などが見られます。頭痛や吐き気、腹痛や筋肉痛などをともなう場合もあります。かぜ症候群のような症状にともない、咳や息苦しさ、早い呼吸、小鼻がぴくぴくするような様子が見られたら、肺炎が疑われます。
溶連菌感染症
溶連菌の正式名称はA群溶血性レンサ球菌と言います。この菌は体のさまざまな部位に感染して悪さをしますが、喉で炎症を起こした場合はA群溶血性レンサ球菌咽頭炎と呼ばれます。急な発熱と喉の痛み(咽頭痛)、全身倦怠感が主な症状で、嘔吐をともなうこともあります。首や手首、股関節に小さな赤い発疹が見られたり、舌に小さな点状の出血(赤いブツブツ)ができることもあります(イチゴ舌とも呼ばれます)。2週間ほどで回復に向かいますが、その際に手足の先から皮が向けることがあります。家族(特に兄弟)に感染しやすいので、注意が必要です。
髄膜炎
急な発熱と嘔吐、強い頭痛の症状を特徴とする疾患です。ウイルスが原因となる無菌性髄膜炎と、細菌が原因となる細菌性髄膜炎があります。
敗血症
ウイルスや細菌、カビなどの微生物が感染して増殖し、血中に入り込むことで、臓器の障害が起こっている状態です。ウイルスや細菌が侵入すると、体は防御反応を起こして微生物を排除しようとしますが、ときにこの反応がうまくコントロールできず、自分の臓器までも攻撃してしまうことがあります。これが、敗血症が起こるメカニズムです。さまざまな感染症の結果として現れ得る症状なので、その症状は発熱や悪寒、全身の痛みや息切れなど、感染した微生物によりさまざまです。
尿路感染症
尿道口(尿の出口)から細菌が侵入し、尿の通り道(腎臓-尿管-膀胱-尿道)のどこかに感染が起こることで炎症が起こる病気です。膀胱が感染した場合は膀胱炎、腎臓が感染した場合は腎盂腎炎と呼ばれます。主な症状には、38℃以上の発熱、排尿痛、腹痛や背中の痛みがあります。学童以降になると、トイレが近くなるなど、排尿にともなう症状が多く見られるようになり、まれに血尿が見られることもあります。
川崎病
川崎富作博士が発表したことで、その名がつけられた感染症です。はっきりとした原因はわかっていませんが、敗血症と同じく、体の過剰な免疫反応により起こるのではないかと考えられています。主な症状としては、5日以上続く発熱、発疹、両眼の充血、唇の赤みやイチゴ舌、首のリンパ節の腫れなどがあります。また、初期には手足の腫れや赤みが見られることもあります。このうち、5つ以上当てはまる場合、または5つ未満でも冠動脈瘤(心臓の血管のこぶ)が見られた場合は川崎病と診断されます。[1]

急な発熱や高熱が出たときの対処法

ここまで、子供の急な発熱の原因と主な原因疾患について見てきましたが、発熱時にその原因を突き止めることは困難です。まして、素人判断は危険です。では、子供が急に高熱を出したらどのように対処すればいいのでしょうか。ここからは、急な発熱時の正しい対応について説明します。

受診の目安

病院に行くべきかの判断は、熱の高さだけで判断しないようにしましょう。ただし、生後3か月未満の赤ちゃんは例外です。発熱が見られたらすぐに受診してください。それ以外の場合は、発熱にともなう症状と子供の状態を見て判断しましょう。特に時間外は、救急の受診が必要か、朝まで待つかの判断基準となるので、しっかり覚えておきましょう。

熱以外の症状が特に見られず、顔色や機嫌がよいようであれば、焦って病院に連れて行く必要はありません。熱だけで他に具体的な症状が見られない段階では、医師も診断ができません。数日は経過を観察し、状態が変わるようであれば受診してください。風邪に似た症状が見られる場合はインフルエンザなどの可能性もあるので、小児救急電話で相談するか、受診しましょう。この他、以下のような症状が見られる場合は、すぐに受診してください。[2]

  • 発熱が4日以上つづく
  • 機嫌が悪い、または元気がなくぐったりしている
  • 意識がもうろうとしている、または常にうとうとしている
  • 呼吸が荒い、または苦しそうにしている
  • 水分補給を嫌がる
  • おしっこが出ない
  • 強い頭痛や腹痛をうったえる
  • 嘔吐などの症状がある
  • けいれんが続く、またはくり返す

温める・冷やすの判断

熱の出始めや上がりきるまでは、悪寒や体の震えが起こることがあります。体を温めてあげましょう。熱が上がりきったら、悪寒は治まります。ここからは、服装や布団の枚数、部屋の温度などを調節し、適度に体を涼めてあげましょう。嫌がらなければ、体を冷やしてあげましょう。熱が高いときは、首やわきの下、脚の付け根を冷やしてあげると効果的です。熱が下がると発汗するので、こまめに着替えさせてあげましょう。

解熱剤の使用について

発熱は、体がウイルスや細菌などの病原体と戦うために起こります。熱が高くても子供が苦しそうでなく、よく寝られるようであれば極力使わないようにしましょう。ただし、苦しんでいるときはためらわず使ってください。

水分補給と食事について

脱水症状を避けるためにも、水分はこまめに補給してください。食べられないときは、無理に食事をさせる必要はありません。その場合は、経口補水液やスポーツ飲料で、塩分や糖分も摂らせてください。果汁100%のジュースでビタミンを補給するのもいいでしょう。

食べられるようになってきたら、消化のよいものを少しずつ食べさせてください。炭水化物やタンパク質を基本に、緑黄色野菜やフルーツでビタミンも補いましょう。脂肪分の多いものは消化に悪く胃腸に負担をかけるので、控えてください。

お風呂について

お風呂は体力を消耗しやすいので、熱が高いうちは控える方がいいでしょう。熱が下がってきて本人も元気であれば、入れてもかまいません。ただし、湯船に長くつかると体力の消耗が激しくなるので、長湯は禁物です。また、湯冷めしないよう出た後はすぐに乾かし、温めてあげましょう。

まとめ

子供の急な発熱や高熱の原因は、ウイルスや細菌の感染によるものがほとんどです。すぐに受診が必要な場合もありますが、状態によってはまずは経過を観察した方がいいこともあります。焦らず、症状や子供の状態を見て正しく判断しましょう。また、家庭での療養もその時々の症状に合わせて適切に行い、苦しい時間を少しでも短くしてあげるべく努めましょう。

参考文献

  1. [1]川崎病(MCLS、小児急性熱性皮膚粘膜リンパ節症候群)診断の手引き(厚生労働省川崎病研究班作成改訂5版) 日本医療センター小児科川崎病研究班/2002年2月 http://www.jskd.jp/info/pdf/tebiki.pdf
  2. [2]おかあさんのための救急&予防ノート こどもの救急/公益財団法人 日本小児科学会 http://kodomo-qq.jp/download/pdf/kodomo-qq_booklet.pdf

「風邪」の関連情報

注目情報

カテゴリー

記事ランキング