風邪
2017.11.30

赤ちゃんの急な発熱や高熱が出たときの対処法

赤ちゃんの急な発熱にはさまざまな要因があります。まだ対処に慣れていないときに急な発熱を経験すると焦るものですが、そのようなときこそ冷静に対応しましょう。赤ちゃんの急な発熱や高熱が出た場合の原因と対処法をご紹介します。

監修医師

監修 世田谷子どもクリニック 院長  副田敦裕先生

第一子や1歳未満の赤ちゃんなど、まだ親として新米の時期に急な発熱や高熱を経験すると焦ってしまいがちです。落ち着いて対処できるよう、発熱の原因と正しい対応を知っておきましょう。

赤ちゃんの急な発熱や高熱が出たときに考えられる原因は?

まずは、赤ちゃんが熱を出す主な原因について説明します。

赤ちゃんの急な発熱の主な原因

子供の病気の多くは風邪ウイルスの感染によるもので、感染すると多くの場合は発熱が起こります。体温が高いと何とか熱を下げなければという気持ちになりますが、実は発熱は体が病気を治そうとすることで起こる症状です。ウイルスなどの病原体が体内に侵入すると、体内の免疫系がウイルスの侵入を防ごうと戦うため、発熱が起こるのです。

体温が高くなると、ウイルスは増殖しにくい環境となり、ウイルスと戦う白血球や免疫系は活性化されます。つまり、体は発熱によりウイルスの勢いを弱め、病気を治りやすくしているのです。発熱が軽度で、赤ちゃんも元気でよく飲む・食べるようであれば、解熱剤を使用する必要はありません。むしろ、与えないほうがよいとされています。

多くの場合、発熱はさまざまなウイルスや細菌などにより引き起こされる感染症にかかることで起こります。乳幼児がかかりやすい感染症には、主に以下のものがあげられます。

  • 突発性発疹(ヒトヘルペスウイルス)
  • RSウイルス感染症
  • ウイルス性胃腸炎(ロタウイルス・ノロウイルスなど)
  • 咽頭結膜熱(アデノウイルス)
  • 手足口病(エンテロウイルス)
  • ヘルパンギーナ(エンテロウイルス)
  • 溶連菌感染症
  • インフルエンザ
  • 水痘(みずぼうそう)
  • はしか(麻疹)
  • 流行性耳下腺炎(おたふくかぜ:ムンプスウイルス)
  • ヒブ感染症(ヘモフィルス・インフルエンザ菌b型)
  • 肺炎球菌感染症

※それぞれの症状・特徴については、『子供の急な発熱や高熱の主な原因と対処法』をご覧ください。

これらの感染症の中には、予防接種によって予防出来るものもあります。

定期予防接種では、

  • B型肝炎ワクチン
  • ヒブワクチン
  • 肺炎球菌ワクチン
  • 四種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風・ポリオ)
  • BCG(結核)
  • MRワクチン(麻疹・風疹)
  • 水痘ワクチン
  • 日本脳炎ワクチン

任意予防接種では、

  • ロタウイルスワクチン
  • おたふくかぜワクチン
  • インフルエンザワクチン

などがあります。

ヒブ感染症や肺炎球菌感染症は、2013年に定期予防接種として予防接種が導入されてから、発達への後遺症を起こす細菌性髄膜炎や肺炎になる子どもの数は激減しています。予防接種のある感染症は、予防接種を受けて子供を病気から守ってあげましょう。

この他に発熱を引きおこす疾病には、川崎病や、頻度は少なくなりますが膠原病、白血病などもあります。

環境によって熱が出ることも

就学前の乳幼児は体温調節機能が未熟なので、環境によって体温が左右されやすいという特徴があります。

暑いと、人は汗をかいて体表面から汗を出し、その蒸発熱で体温を下げようとします。しかし、その機能には限界があります。まして、子供は大人に比べて体温調節機能がそれほど発達していません。部屋の温度が高かったり、厚着しすぎることでも、すぐに体温が上がってしまいます。また、体の大きさにくらべて体表面積が小さいため、環境温度の変化を受けやすい傾向もあります。微熱があるぐらいであれば、まずは部屋の温度や着ている服を確かめ、水分補給を行いながら様子を見るといいでしょう。

ただし、環境温度が高いと熱中症(=熱射病)となって高熱が出ることもあります。熱中症による発熱のおそれがある場合は体を冷やして水分を十分に補給しましょう。ぐったりしているときは、医療機関を受診してください。

赤ちゃんが発熱したときに心がけたい5つの対処法

それでは、赤ちゃんが熱を出したときに必ず行いたい対処法について説明します。

赤ちゃんの機嫌や様子を観察する

元気で食欲もあり、よく寝るときは、たとえ高熱であっても焦る必要はありません。発熱のタイミングが時間外であれば、朝まで様子を見ても大丈夫です。ただし、熱以外に気になる症状がある場合は受診するか、時間外の場合は小児救急電話で相談しましょう。病院に連れて行くべき症状については、以下の「病院に行くべき発熱時の具体的な症状とタイミング、注意点」の項で詳しく説明しています。

熱が上がりきっていないときは温める

熱がまだ上がる途中では、手足が冷たくなって体が小刻みに震える(悪寒)ことがあります。このような症状が見られるときは熱が上がりきっていない場合が多いので、手足を温め、寒がるようであれば体も温かくしてあげましょう。熱が上がりきってしまえば震えは治まり、手足の冷たさもなくなります。むしろ暑がるようになるので、着せすぎや部屋の温めすぎに注意しましょう。様子を見ながら暑すぎず、寒すぎずといった状態に調節して下さい。発汗も多くなりますので、下着やパジャマをこまめに着替えさせましょう。

熱が上がりきった後は冷やす

冷やす場所は頸部(首)、わきの下、鼠径部(太ももの付け根)など、太い動脈が通っている(体の表面から拍動が触れる)所です。おでこを冷やすと気持ちよさはあるかもしれませんが、熱を下げる効果はあまりありません。冷やす事を嫌がる場合は、薄着にするだけでもいいでしょう。

こまめに水分補給する

食欲がない場合は、無理に食べさせる必要はありません。ただし、発熱時は脱水症状になりやすいので、水分はしっかり補給しましょう。できれば経口補水液がいいでしょう。こまめに与えてください。乳児であれば、飲めれば母乳やミルクでもかまいません。

少しでも食べられるときは、食べやすいものから与えていきましょう。ヨーグルトやアイスクリームなどでもいいでしょう。

熱が高いときはお風呂を控える

入浴は体力を消耗しやすいので、熱が高いときは控えることをおすすめします。ただし、本人が元気でお風呂に入りたがる場合は、入れてもいいでしょう。湯船にあまり長く入ると体力を消耗するので、湯冷めしない程度にサッと入るのがコツです。湯冷めすると悪化する可能性があるので、髪や体をしっかり拭いて乾かし、入浴後はなるべく早く寝かせましょう。

病院に行くべき発熱時の具体的な症状とタイミング、注意点

生後3か月未満の場合を除けば、熱の高さだけで病院に行くか、行かないかを決めるべきではありません。熱以外の症状や、体の状態を見て判断することが大切です。一言で言えば「機嫌が悪い」「元気がない」「普段と様子が違う」ということになります。具体的には、次のような場合が病院を受診する目安になります。参考にしてください。[1]

  • 生後3か月未満で、38℃以上の熱がある
  • 元気がなく、ぐったりしている。意識がもうろうとしている
  • 食欲がなく水分もとれず、尿量がかなり少なくなっている
  • 呼吸が荒い、もしくは苦しそう
  • 顔色が悪い、もしくは蒼白
  • 何度も嘔吐(おうと)する
  • 強い頭痛や腹痛がある
  • けいれんやひきつけがあったり、くり返す

病院に行く前に把握しておきたいこと

病院に行くときは、発熱したおおよその時間や変化、熱以外の症状の経過、赤ちゃんの機嫌や様子、これまでにかかった大きな病気の有無や現在服用している薬などを把握し、医師に伝えましょう。診断の参考になります。

病院に行くときに必要なもの・準備物

健康保険証、医療症は必ず忘れないようにしましょう。母子手帳やお薬手帳なども持参しましょう。診察に役立つことがあります。嘔吐などさまざまな事態を考慮し、オムツや着替えも持っていくことをおすすめします。

赤ちゃんに薬を上手に飲ませるコツと注意点

スムーズに薬を飲ませられるよう、飲ませ方のコツと注意点についても知っておきましょう。

赤ちゃんに使える薬の種類と上手に飲ませるコツ

赤ちゃんに処方される薬の主なものは、粉薬とシロップ剤です。甘みをつけたり飲みやすく工夫されている薬もありますが、ちゃんと飲んでくれないことも多いかと思います。赤ちゃんが好きなジュースやアイスに混ぜて飲ませるのも手ですが、薬によっては逆に苦味が増してしまうこともあるので、注意してください。薬と一緒に飲むためのお薬ゼリーもあるので、活用してみてください。わからないときは、処方してもらう際に薬剤師さんに相談しましょう。

赤ちゃんに薬を飲ませるときの注意点

医師の指示を受けた場合を除き、主食に混ぜることは基本的には避けましょう。味に違和感を覚え、受けつけなくなることがあります。また、薬の成分が変質してしまう可能性もあるので、熱い食品に混ぜるのも避けましょう。たくさんの量に混ぜてしまうと薬を飲みきれないことがあるので、一度に飲める量の中に混ぜましょう。ただし、薬によっては相性の悪い食品がありますので、必ず薬剤師に相談してください。

まとめ

赤ちゃんは体温調節機能が未熟なので、大きな問題がなくても熱が出ることがあります。まずは焦らず、部屋の温度や服を確認するなどして、冷静に様子を観察しましょう。熱が下がらない場合は、その時々の状態に合った対処法を正しく行いましょう。また、病院に行くべき状態を知っておき、少しでもおかしいときはすぐに受診することも大切です。時間外や急に症状が変化したときは、小児救急電話で相談することをおすすめします。

参考文献

  1. [1]おかあさんのための救急&予防ノート こどもの救急/公益財団法人 日本小児科学会 http://kodomo-qq.jp/download/pdf/kodomo-qq_booklet.pdf

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