インフルエンザ
2017.11.30

妊娠中のインフルエンザの予防接種や治療による妊婦と胎児への影響

妊娠中は服用できる薬が制限されるなど、注意すべき点が多くなります。インフルエンザの予防接種は受けることができるのでしょうか。妊娠中の予防接種と治療による妊婦と胎児への影響についてお伝えします。

妊娠中は薬や食べ物など、制限や注意が必要になるものが多くなります。インフルエンザワクチンの接種は可能なのでしょうか。おなかの赤ちゃんのためにも安易な判断をしないよう、ワクチンの影響や効果などについて知り、適切に対策しましょう。妊娠中のインフルエンザの予防・治療方法についてお伝えします。

妊娠中のインフルエンザの予防接種による影響と受けておくべき時期

インフルエンザの予防接種には、2種類のワクチンがあります。日本において使用されているインフルエンザワクチンには重篤な副作用の危険性はないと考えられているため、一般的に妊娠中であっても、そのすべての時期において接種できるとされています。ワクチンの接種時期については、妊婦の場合は11月初旬から開始が予定されています。[1][2]

インフルエンザワクチンで起こりうる副反応

ほとんどの場合、重篤な副作用はないと考えら得ていますが、軽微な副反応が出る場合があります。起こりうる主な副反応をまとめました。

  • 局所反応(発赤、腫脹、疼痛など)
  • 全身反応(悪寒、発熱、倦怠感、頭痛、嘔吐など)

これらの副反応は、現れても2~3日で消失することがほとんどです。ただし、局所の異常反応や体調異常、高熱やけいれんなどの症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。

妊娠中のインフルエンザの症状と病院で受ける治療方法

インフルエンザワクチンを接種しても、100%感染・発症を防ぐことはできません。ワクチンの最大の目的(効果)は、発症した場合の症状を軽くしたり、合併症などの重症化を防ぐことです。もちろん、感染後の発症を防ぐ効果もある程度認められています。また、ワクチンの効果を得るには接種から2週間を要し、効果の発現にも体質や健康状態などにより個人差があるといわれます。

そのため、たとえ予防接種を受けたとしても、インフルエンザにかからないと保障されるわけではありません。妊娠中の発症の可能性に備え、症状と治療法についても知っておきましょう。

妊婦に現れるインフルエンザの症状と診察すべき病院

妊娠中にインフルエンザを発症した場合は、基本的にはかかりつけの産婦人科を受診しましょう。妊娠の経過状況をもっともよく把握しているため、治療方針などを決めやすいです。妊娠周期による症状や治療法に大きな違いはないですが、主治医と相談のうえで指示された治療法を守りましょう。

薬の安全性について

インフルエンザを発症した際に処方される薬には、主にタミフルやリレンザがあります。また、吸入粉末剤のイナビル、点滴静注薬のラピアクタなどもあります。主に使用されるタミフル、リレンザの、妊娠中に服用する場合のリスクについては、以下のとおりです。

タミフル
妊娠初期にタミフルを服用した場合でも、先天異常をもたらすリスクは高くないと考えられています(妊娠と薬情報センターと虎の門病院が共同調査した結果)。
リレンザ
吸入で使用することから局所で作用するため、血中の移行量がごくわずかで、胎児へのリスクは少ないと考えられています。また、口に残った分を飲み込んだとしても、血中にはほとんど移行しないことがわかっています。

どちらを服用する場合でも必ず用法用量を守り、他に服用している薬があれば医師に伝えましょう。

妊婦が気をつけるべきインフルエンザ対策

治療薬のリスクが低いとはいえ、母体や胎児のことを思えば、インフルエンザにかからないことが一番です。妊娠中にできるインフルエンザ対策のポイントをご紹介します。

マスクの着用と手洗い・うがいの徹底

流水やせっけんによる手洗いは、手指についたインフルエンザウイルスを物理的に除去する有効な方法です。そのため、手洗いはインフルエンザに限らず、接触や飛沫感染を経路とする感染症対策の基本となります。外出後はもちろん、掃除後や食事前など、こまめに洗いましょう。インフルエンザウイルスはアルコールによる消毒効果も高いとされているので、アルコール製剤による手指衛生も効果的でしょう。うがいも同様です。喉(のど)に付着したウイルスを洗い流す効果があるので、あわせて徹底しましょう。

インフルエンザが流行してきたら、特に妊婦さんは人混みや繁華街への外出を控えてください。やむを得ず外出する場合は、マスクを着用しましょう。飛沫などを防ぐ効果がある程度期待できますし、喉の乾燥を防ぐことでウイルスの付着や増殖を予防することができます。

予防接種

インフルエンザワクチンは、接種すればインフルエンザに絶対にかからないというものではありませんが、発症をある程度阻止する効果があります。また、たとえかかっても症状を軽くしたり、重症化を防ぐ効果も期待できます。

タミフルの服用

インフルエンザはワクチン接種だけでなく、タミフルを服用することでもある程度の予防効果が期待できるとされています。家族に感染者が出た場合などに活用するとよいでしょう。ただし、服用はかかりつけの産婦人科医に相談したうえで行ってください。また、体に少しでも不調が出た場合は、ただちにやめて医療機関を受診してください。

まとめ

妊娠中は、ワクチンの接種や薬の服用がためらわれるかもしれませんが、過度な心配はせず、かかりつけの医師に相談したうえで適切な予防をしましょう。母体や赤ちゃんのことを考えれば、インフルエンザにかかるより、ワクチンなどで予防した方がいいです。手洗い・うがいやマスクの着用など、家庭でできる対策も行い、しっかり予防しましょう。それでもかかってしまったときは、担当の産婦人科医に相談し、適切な治療を受けてください。

また、インフルエンザは食事を工夫することからも予防できます。インフルエンザ予防に効果的な食べ物とレシピについては『インフルエンザ予防に効果的な食品とは?おすすめの食べ物10選とレシピ』を、『インフルエンザの予防効果が期待されるヨーグルト』をご確認ください。

参考文献

  1. [1]厚生労働省 新型インフルエンザワクチンの接種にあたってhttp://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/dl/infu091028-01.pdf
  2. [2]国立成育医療研究センターhttps://www.ncchd.go.jp/kusuri/lactation/h1n1.html

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