免疫
2017.11.30

腸と免疫の関係と、健康のために押さえたい食事の6か条

免疫力は、健康な生活を送るカギとなります。日頃の生活を少し変えるだけでも、免疫力の低下を防ぐことができます。ここでは、免疫力をつけるうえで大切な腸管免疫について説明し、腸内環境を整える方法をご紹介します。では、免疫力を高めるうえでもっとも重要と言える腸管免疫について説明し、腸内環境を整える方法をご紹介します。

よく、健康のためには腸内環境を整えることが大切といわれますが、それはなぜでしょうか。腸と健康の関係と、腸内環境を整える食事について説明します。

腸と健康はどう関係するの?

健康のためには腸内環境を整えることが重要と言いますが、これには免疫力も関わっているといわれます。まずは、健康を左右する免疫力と腸がどのように関係するのかを見ていきましょう。

腸は免疫細胞のおよそ7割が集まる場所

私たちの体の中には免疫機能が備わっており、その6~7割が腸に集中しています。これを、腸管免疫と言います。そのため、体内の免疫機能が活発に働くには、腸内環境を整えることも重要といわれています。

腸管免疫とは?

人の腸管には100兆以上の腸内細菌が生息しており、腸内フローラを形成することで、体内における最大の免疫器官となっています。その特徴から、もう一つの臓器と呼ばれることもあります。

腸管の主要な働きは消化吸収ですが、免疫器官としてもとても重要な役割を担っています。多くの病原細菌は口から入って体内に侵入してきますが、これらの侵入物から身を守るために、自己防衛体制として体の中で最大規模の免疫器官が配置されているのです。感染症に対する防御のために免疫を活性化する一方、栄養成分を摂取するために腸内細菌や食物に対しては免疫を抑制するという特徴もあります。

腸内環境を整える食事の6箇条

腸が健康において重要な役割を担うことがわかりましたが、では、腸内環境を整えるにはどのようなことに注意すればいいのでしょうか。ここでは食事にスポットを当て、意識したい5つのポイントをご紹介します。

栄養をバランスよく摂る

食事の基本中の基本は、バランスよく食べることです。どんなに体にいい栄養素でも、そればかり摂っていては意味がありませんし、栄養が偏れば、けっきょくは体調不良につながります。糖質(炭水化物)、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルの5大栄養素を基本に、できるだけ豊富な種類の栄養素を摂るよう心がけましょう。

発酵食品を積極的に食べる

さまざまな栄養素を摂るうえで、特に欠かさず摂っておきたい栄養素があります。そのひとつが、発酵食品に含まれる乳酸菌です。乳酸菌は腸内環境を整えるうえで不可欠な善玉菌で、整腸作用に優れていることで知られています。[1]代表的な発酵食品には、納豆、ヨーグルト、漬物、味噌、醤油、塩こうじ、ワイン、チーズ、キムチなどがあります。

食物繊維とオリゴ糖を意識的に摂る

食物繊維とオリゴ糖は、腸内にいる善玉菌の増殖を助ける栄養素です。そのため、理想的な腸内環境のために、発酵食品とともに毎日しっかり摂りたい栄養素です。

食物繊維には、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維があります。それぞれ特徴が異なりますが、腸内環境を整えるにはどちらもバランスよく摂る必要があります。

水溶性食物繊維
ぬるぬるとした粘性を持つのが特徴です。胃の中の水分を吸収して粘性物質が固まるため、胃に長くとどまります。胃腸内をゆっくりと移動するため、空腹を感じにくくなるメリットがあります。多く含まれる食べ物には、こんにゃく、わかめ、昆布、里芋などがあります。熟した果物にも含まれます。
不溶性食物繊維
消化されにくく、食べたときとほとんど変わらない形で腸まで達するのが特徴です。腸内の水分を吸収して膨らむため、その刺激で蠕動運動(ぜんどううんどう:内容物を移動させる腸の働き)が活性化し、便秘の予防と改善に効果的とされます。多く含まれる食べ物には、穀類、大豆、ごぼう、りんごなどがあります。

オリゴ糖にも、いくつかの種類があります。中でも代表的なものが、フラクトオリゴ糖、イソマルトオリゴ糖、ガラクトオリゴ糖、大豆オリゴ糖です。すべてに整腸作用が期待できるので、食事でとり入れやすいものを試してみてください。多く含まれる主な食べ物は、以下のとおりです。

・フラクトオリゴ糖…たまねぎ、ごぼう、アスパラガス、バナナ、にんにく など

・イソマルトオリゴ糖…はちみつ、醤油、味噌、清酒 など

・ガラクトオリゴ糖…母乳

・大豆オリゴ糖…大豆

水分をしっかり摂る

腸内の水分が不足すると、便が硬くなって便秘を引き起こしやすくなります。便秘になると、腸内にたまった便から腐敗産物が発生し、悪玉菌が増殖しやすくなります。日ごろからこまめな水分補給を心がけ、便秘による腸内環境の悪化を予防しましょう。

高脂質・高タンパクな食べ物は食べ過ぎない

高脂質・高タンパクな食べ物(特に動物性タンパク質)は、食べ過ぎると悪玉菌を増殖させる要因になります。理想的な腸内は善玉菌が悪玉菌より優勢になっているので、腸内環境を整えるには悪玉菌が増えるのを防ぐことが大切です。肉類は適度な量を心がけ、栄養バランスの偏りを防ぐためにも、野菜類と組み合わせて食べましょう。

ダイエットの方法に気をつける

ダイエットをする場合は、その方法に気をつけることも大切です。極端な食事制限は、必要な栄養素の不足や腸への刺激不足により、慢性的な便秘を招く原因となります。健康被害を引き起こす場合もあるので、食事を抜くなどの過度なダイエットは絶対にやめましょう。ダイエット中でもバランスよく食べ、間食の制限や適度な運動で健康的に痩せるよう心がけてください。

腸内細菌のバランスを効果的に整える3つのコツ

以上の基本を押さえた上で、腸内環境をより効果的に整えるコツも知っておきましょう。善玉菌を増やしやすい食べ方のコツをご紹介します。

発酵食品+食物繊維・オリゴ糖の組み合わせで食べる

発酵食品で乳酸菌などの善玉菌を外から補うときは、もともと腸内にいる善玉菌の増殖をサポートする栄養素と一緒に摂ると、相乗効果が期待できます。たとえば、ヨーグルトにオリゴ糖が多く含まれるバナナを入れる、納豆に食物繊維が豊富なオクラを刻んで入れるなど、食べ合わせのいいもの同士を組み合わせて食べることをおすすめします。

自分に合う乳酸菌を見つける

整腸作用が期待される乳酸菌ですが、場合によっては効果を得られない可能性があります。これは、腸内細菌の構成は人によって異なるためです。ある人に効果的な乳酸菌でも自分には合わなかったり、ちまたでよいといわれる乳酸菌でも、体質によっては合わない場合があるのです。効果を最大限に得るには、自分の体に合った乳酸菌を選ぶことが大切です。同じ食材や食べ物を2週間ほど食べてみて、効果を実感できるか確かめてみましょう。効果が得られないときは、他の食材や銘柄に変えてみて、試しながら自分に合うものを見つけてください。

まとめ

免疫細胞のおよそ7割が集まる腸内。この環境を整えることは、体全体の免疫システムを正常に機能させるうえでとても大切です。腸内環境を整えるうえで重要な善玉菌を意識的に摂る、また、増やす食生活を日ごろから心がけましょう。

免疫力に効果を発揮する食事と生活習慣について、詳しくは『免疫力をつけるために効果的な食事と生活習慣』をご確認ください。

参考文献

  1. [1]プロバイオティクスとして用いられる乳酸菌の分類と効能 http://www.eiken.co.jp/modern_media/backnumber/pdf/MM1110_01.pdf

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