免疫
2017.11.30

免疫力を高める生活とは?健康な体をつくる食事と習慣

免疫力が下がると、風邪などのさまざまな感染症にかかりやすくなります。健康を維持するうえで重要な免疫力は、日常の生活を少し変えるだけでも高めることができます。免疫力をアップさせる生活習慣と方法をご紹介します。

風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくするには、手洗いなど日ごろの予防策とともに、体の免疫力をつけることも大切です。ここでは、免疫力を高めるために生活の中で意識したいことや、食事の方法などについてご紹介します。

免疫力と健康の関係

免疫力とは、体が「疫(=病気)」から逃れる仕組みのことを言います。どのように病気から逃れるのか、その具体的な仕組みを見ていきましょう。

免疫細胞の主な種類と働き

免疫細胞にはさまざまな種類がありますが、中でも「自然免疫」と呼ばれる好中球、マクロファージ、NK細胞などは、細菌やウイルスを認識して攻撃し、体を守る働きをしています。これらは病原体が体に侵入した際に、最初に反応する免疫システムです。この免疫システムを逃れた病原体に対して働く免疫細胞が、「獲得免疫」と呼ばれるTリンパ球(T細胞)、Bリンパ球(B細胞)などです。病原体の詳細な情報を解析したうえで効率よく攻撃したり、抗体を産生することで免疫力を発揮します。

また、免疫細胞は体内に侵入してきた病原体から体を守る他にも、毎日作られているがん細胞を除去する働きも担っています。つまり、体ががん細胞に犯されないのは、免疫力のおかげというわけなのです。

免疫力を高める3つの基本

免疫力を高める生活で基本となるのは、食事、睡眠、運動です。まずは、それぞれが免疫力とどう関わるのかを説明します。

食事

体内の免疫細胞は、6~7割が腸管に存在しているといわれます。そのため、腸内環境が悪くなると、その情報が免疫細胞に伝えられ、免疫機能がうまく働かないと考えられています。免疫機能の活性化のためには栄養をバランスよく摂り、腸内環境を整えることが重要です。[1]

睡眠

免疫システムに必要な物質は、睡眠中に作られています。十分な睡眠時間をとり、睡眠の質を上げることが、免疫力の向上には不可欠と言えます。[2]

運動

適切な運動は免疫力をつける効果があるといわれています。[3]

免疫力を高める食事とは?

それでは、免疫力を高める基本のひとつ、食事について、その方法などを具体的に見ていきましょう。

豊富な種類の食べ物をバランスよく食べる

栄養が偏ってしまうと、免疫細胞がきちんと働かなくなります。免疫力を高める食事の基本は、栄養をバランスよくとることであるを忘れないようにしましょう。そのうえで、にんにくやきのこなど、免疫力の向上をサポートしてくれる食材を意識的に食べると、より効果的です。

免疫力がつく食べ物を意識的に食べる

乳酸菌やビフィズス菌、食物繊維・オリゴ糖を含む食べ物は、腸内細菌を改善して免疫力をつけるのに効果的に作用します。

腸内細菌には以下の種類があります。

・善玉菌…消化吸収や免疫力の向上をサポートする有用菌。

・悪玉菌…腸に炎症を起こしたり、有害物質を作りだす有害菌。

・日和見菌…善玉菌が多いときはなにもしないが、悪玉菌が多くなると有害な作用を及ぼす場合があるもの。

悪玉菌より善玉菌が優勢になっている状態が、理想的な腸内環境といわれています乳酸菌・ビフィズス菌は腸内細菌の中で善玉菌に入ります。そのため、これらを外から意識的に摂取することは、腸内環境を善玉菌優位に傾けるサポートになります。乳酸菌やビフィズス菌は、ヨーグルトから直接摂取することができます。

食物繊維やオリゴ糖は、腸内に存在する善玉菌のエサになり、増殖をサポートします。これらは、野菜、果物、豆類に多く含まれています。このような食べ物で腸内環境を意識的に整えれば、感染の予防や発癌性をもつ腐敗産物の産生を抑制することにつながります。

また、免疫力をつけるには体を温めたり、抗酸化作用のある食べ物や飲み物も効果的です。

体を温めるには、料理にしょうがを使うのがおすすめです。しょうがは血流をよくする効果があることで知られます。風邪をひいたときにしょうが湯がすすめられるのは、このためです。

活性酸素により細胞がダメージを受けても、免疫力は低下します。そのため、免疫力をつけるには抗酸化作用のある栄養素を摂るのもおすすめです。抗酸化物質にはビタミンC、ビタミンE、β-カロテン、ポリフェノールなどがあり、これらは主に野菜や果物に含まれています。活性酸素がある状態では免疫細胞が働きにくくなってしまいます。抗酸化物質を十分に補給すると、体内の活性酸素が減少し、免疫細胞が働きやすくなります。

免疫力を高める睡眠のとり方

ここからは、免疫力を高める基本である睡眠について見ていきましょう。免疫力の向上をサポートするには、どのようなことに注意すればいいのでしょうか。

十分な睡眠時間を確保する

免疫物質は、副交感神経が積極的に働いているときに生成されます。副交感神経がもっとも働くのは睡眠中なので、十分な睡眠時間をとることは免疫力を高めるうえで大事なポイントになります。個人差もありますが、7~9時間くらいが理想的といわれています。

質のよい睡眠をとる

睡眠の質が悪い場合、つまり、寝ているのに交感神経の作用が減らない場合は、いくら睡眠時間が多くても免疫物質が思うように生成されないかもしれません。ただ長く眠ればいいというわけではなく、睡眠の質も大切なのです。質のよい睡眠のためには、食事は就寝の2時間前までに終えましょう。また、寝る直前までテレビを見たり、パソコンやスマートフォンなどを操作すると、夜になって低下するはずの交感神経の作用が残るので、控えるようにしましょう。

眠れなくても体を横にして休む

たとえストレスや心労などがあってよく眠れなかったとしても、体を横たえて休むようにしましょう。これだけでも、免疫力の維持やある程度の向上が期待できます。

疲れているときは20分の昼寝をする

疲れているときは20分程度昼寝をするだけでも、免疫力のアップにつながります。これは、一つには体内のメラトニンというホルモンの増加を促すためです。メラトニンには活性酸素を減少させる働きがあるので、免疫力を高めるサポートをしてくれます。

免疫力を高める運動方法

免疫力を高める基本の最後のひとつ、運動について説明します。

免疫力を高めるには有酸素運動が効果的

呼吸を速めて新鮮な酸素を体内にとり入れる、いわゆる有酸素運動で免疫力の向上が期待できるといわれています。ジョギング、ウォーキング、サイクリング、水泳などですが、ゆったりとしたペースがおすすめです。

他にもある!免疫力を高める生活習慣とは?

基本の3つ以外にも、できるだけ意識したい生活のポイントがあります。できることから始めて、免疫力の高い体を目指しましょう。

起床したら朝日を浴びる

朝日を浴びると自律神経が正常に働き、腸の動きを活発にする物質が産生されます。

入浴時はできるだけ湯船につかる

湯船に浸かることで深部の体温が上がり、免疫力の維持につながります。シャワー浴が基本の方は、週に何回でも湯船に浸かる習慣を作りましょう。

疲れたら休む

ストレスや疲労は免疫力を低下させる大きな要因となります。疲れているときは無理をせず、しっかり休むことが大切です。

水分補給をこまめに行う

体に必要な水分が不足すると、血流が悪くなって必要な栄養素が体のすみずみに行き渡らなくなります。また、ウイルスや細菌と戦う免疫細胞も血液にのって体内を循環しているので、血流が悪くなると免疫の働きも悪くなります。

タバコは控える

タバコの煙などの有害物質が人体に入り込むと、これを排除しようと免疫機能が働くため、本来の目的であるウイルスや細菌に対する免疫反応と分散されてしまう可能性があり、有害物質の直接的免疫低下作用もみられます。また、喫煙は免疫系にとって有用な働きをするビタミンCを大量に消費することも、免疫力の低下に影響を及ぼします。

抗生物質やサプリに頼り過ぎない

感冒の原因であるウイルスには抗生物質は聞きません。抗生物質は体内に入ってきた悪い細菌とともに、体内にもとから存在する必要な細菌までも一緒に殺してしまう場合があります。そのため、必要以上に服用するのはよくありません。しかし、病原体によっては服用すべきなので処方された場合は医師の指示に従うことが大切です。

また、免疫力を高めるために各種栄養素が含まれるサプリメントを利用する方法もありますが、これだけ摂っていれば必ず免疫力が上がるというわけではありません。頼りすぎないようにしましょう。もっとも大切なのは、毎日の食事で必要な栄養素を補うことです。サプリメントはあくまでも栄養素を補うサポート製品であることを忘れないようにしましょう。また、体に合わないものを選ぶと体調を崩す可能性もあるので、できれば医師に相談のうえ活用することをおすすめします。

まとめ

免疫機能は、私たちが生活するうえで非常に重要な働きをしています。免疫力を維持することで、よりすこやかな生活を送ることができます。最近疲れやすい、風邪をひきやすくなったという方は日頃の生活を少し見直してみましょう。食事や睡眠など、ちょっとしたことを見直すだけでも、免疫力の向上が期待できます。無理をすることはありませんが、生活の中で変えられるもの、とり入れられるものがあれば、ぜひ試してみてください。

参考文献

  1. [1] 厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-003.html
  2. [2]初心者のための睡眠の基礎と臨床 http://jssr.jp/kiso/syoshin/syoshin.pdf
  3. [3]運動によるさまざまな免疫変動と意義 http://www.f.waseda.jp/katsu.suzu/hp/3.pdf

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