免疫
2017.11.01

免疫力をつけるために効果的な食事と生活習慣

風邪(かぜ)の予防や体調を整えるのに大切な免疫力は、生活習慣により低下することがあります。どうすれば免疫力をつけることができるのでしょうか。今回は免疫力と関係が深い食事を中心にご紹介します。

監修医師

監修 荒木聖子

健康を維持するのに必要不可欠な免疫力。これは、食生活や生活習慣の乱れですぐに低下してしまいます。ここでは食生活を中心に、生活の中で免疫力を維持するコツをご紹介します。

免疫力を維持するのに効果的な方法は「食事」

免疫力を維持するには、食事において下記の2つのポイントが大切です。

1.正しい食習慣を守る

  • よく噛み、食べ過ぎない
  • 1日3食のリズムを整える
  • 栄養素をバランスよくとる

2.免疫力をサポートする効果が期待できる栄養素を摂る

  • 抗酸化食品、生理機能成分(ビタミンA、C、E、ポリフェノール類など)
  • 発酵食品(ヨーグルト、みそ、納豆、キムチなど)

低下した免疫力に働きかける効果が期待できる栄養素にはさまざまなものがありますが、中でも抗酸化食品や生理機能成分は、活性酸素の除去に役立つといわれています。また、発酵食品には腸内環境を整える働きがあり、腸内環境を整えることで、免疫細胞の働きがよくなるといわれています。

最近の研究では、乳酸菌の中でも特に「プラズマ乳酸菌」と呼ばれるものが注目を集めています。従来の乳酸菌には、ウイルス退治にはたらく一部の細胞を活性化させる効果がありましたが、これに対してプラズマ乳酸菌は、ウイルスに対する免疫を総合的に活性化させる、司令塔的な役割を担う細胞を活性化させることができるという研究結果がでました。こうした成分を含む食品をとり入れるのも、免疫力をサポートするのに有効と考えられます。

食べるべき食材とおすすめの食べ方5選

それでは、体を温めたり、免疫力に働きかける効果が期待できる食材を、具体的にいくつか紹介していきましょう。

野菜類

  • カリフラワー

抗酸化力を持ち、低下した免疫力をサポートするビタミンCが豊富に含まれています。カリフラワーに含まれるビタミンCは、加熱しても失われにくいのが特徴です。また、色素成分であるケルセチンには、炎症を抑える働きがあります。ビタミンCやケルセチンは水溶性なので、汁ごと食べられるスープなどの料理がおすすめです。

魚介類

  • うなぎ

喉(のど)や鼻などの粘膜を強化するビタミンAが豊富に含まれています。また、抗酸化力と血行促進効果が期待できるビタミンEも豊富に含まれるため、保温にもつながります。かば焼きなどで、山椒などの香辛料と一緒に食べると、体を温める効果がより高まります。

肉類

  • 牛肉 

牛肉は良質なタンパク質を豊富に含みます。また、新陳代謝や健康な皮膚の維持に役立つ亜鉛が、鶏肉や豚肉よりも多く含まれています。東洋医学では、体を温める温性の食材に分類され、胃腸の機能を高めるとされています。キャベツ、ニンジン、トマトなどの野菜と煮込んだボルシチは、栄養たっぷりで体も温まるのでおすすめの料理です。

果物

  • いちご

ビタミンCが豊富で、3~5粒で1日の必要量の約半分を摂取することができます。また、色素成分であるアントシアニンには、高い抗酸化作用があります。へたをとってから洗うとビタミンCが流出し、味も落ちてしまうので、洗ってからへたをとるのがコツです。

飲み物

  • 紅茶

ポリフェノールの1種であるカテキンが豊富です。茶葉を完全に発酵させた紅茶には体を温める効果が期待できるので、胃腸を温めてくれます。ただし、ビタミンCは緑茶ほど含まれていないので、レモンティーなどにして補うことをおすすめします。また、紅茶は利尿作用が高いので、飲む際は脱水症状に気をつけてください。

一例として食材をご紹介しましたが、基本的にはある種の食材に偏った食べ方をするのではなく、さまざまな食材をバランスよくとり入れることが大切です。主食、主菜、野菜・海藻・イモ類などを使った副菜が2品以上あると理想的です。必要なエネルギー量をしっかり確保しながら、タンパク質、ビタミン、ミネラルもしっかり摂取していきましょう。

サプリの免疫に対する効果

免疫力に効果がありそうなサプリメントのうち、特定保健用食品として許可されているものとしては、腸内バランスの整えや改善に役立つ乳酸菌や、その乳酸菌のえさとなって増殖を促す食物繊維、オリゴ糖などを用いたものが認められています。基本は食事から、ということを押さえたうえで、補助的にこれらの商品を活用してみるのもよいでしょう。

生活習慣を改善して免疫力をつける方法

免疫力を維持するには、食事以外の生活習慣も重要となります。よりよい生活習慣を見ていきましょう。

睡眠

睡眠は、からだを正常に保って健康を維持するために必要不可欠なものです。眠ることで、疲労回復だけでなく、各器官の働きやホルモン分泌を促進し、心身を安定させることができます。

眠る前にはリラックスを心がけ、遅くまでテレビやスマートフォンを見ないようにしましょう。何より大切なのは、毎朝決まった時間に起きて太陽光をしっかりと浴び、体内時計をリセットさせることです。ホルモンの働きで、夜にぐっすり眠れるようになります。

運動

運動は、健康に欠かせないものです。適度に体を動かすことで血行がよくなり、必要な栄養素や酸素が全身や脳にいきわたりやすくなります。運動習慣のない方は週に1~2度、1時間程度のウォーキングなど、軽く汗ばむ程度の運動から始めるとよいでしょう。その際は、水分補給も忘れずに行いましょう。運動の時間をなかなか作れないという方は、通勤の際に一駅多く歩く、テレビを見ながらストレッチをするなど、手軽にとり入れられる方法で取り組んでみましょう。ほんの少し意識を高めて活動量を増やすだけでも、効果は期待できます。

入浴

入浴は自律神経を整えるのに効果的なものです。ぬるめのお湯に入って手足を伸ばせば、水圧と浮力によって毛細血管が適度に刺激されるため、全身の血行がよくなります。リラックス効果はもちろん、保温によって低下した免疫力への効果も期待できます。気持ちよくお風呂に入るには、食後から1時間以上空けることが大切です。寒い時期は浴室内を温めておきましょう。38~40℃程度のお湯に、15~30分ほど浸かると効果的です。入浴の前後には水分補給をしっかり行い、入浴後は湯冷めしないよう気をつけてください。

まとめ

免疫力を維持するヒントをご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?食生活でもっとも大切なのは、個々の成分に頼るのではなく、バランスよく食べること。そのうえで、免疫力のサポートに役立つ食べ物を意識的に食べましょう。また、免疫力を低下させないためには、体を休ませることも大切です。忙しくても睡眠や入浴時間はできるだけとり、体をリラックスさせてあげましょう。

参考文献

  1. [1]図解すぐできる!自律神経失調症の治し方 (2016)_p.120~127
  2. [2]健康・栄養食品アドバイザリースタッフ・テキストブック(2010)_p.41~42
  3. [3]東方栄養新書(2010)_p.287,358~359
  4. [4]新しい栄養学と食のきほん事典(2011) _p.46_p.145
  5. [5]プラズマ乳酸菌(JCM5805)による抗ウイルス免疫賦活機能と日常生活への適用によるメリット_Pharma Medica 35(7):69-74,2017
  6. [6]からだにおいしいキッチン栄養学(2012)_p.25
  7. [7]新しい栄養学と食のきほん事典(2011)_p.46

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