風邪
2017.11.01

風邪の症状を回復させる食事とレシピ

風邪(かぜ)をひくと食欲が落ち、体力や免疫力もさらに落ちてしまいます。つらい風邪の諸症状を回復させるべく、効果的な食材や食べやすいレシピをご紹介します。

監修医師

監修 管理栄養士  渡辺佳代先生

風邪(かぜ)の症状を緩和させたいときに摂取すべき食材と、簡単に作れるレシピをご紹介します。

風邪の症状別おすすめの食材とレシピ

風邪のとき、食欲が落ちたり食事がとりずらくなったりすることもありますが、病原体と闘うためには、食事によってエネルギーや栄養を補給する必要があります。効果的な食材や食べやすいレシピを、症状の段階ごとにご紹介します。

風邪のひきはじめの体がだるいとき

風邪をこじらせず早く治すには、風邪のひき始めの対処が肝心です。ゾクゾクとする寒気、鼻水、頭痛やのどの痛み、食欲不振などの症状が出たら、すぐに体を温めるようにして、休養や睡眠をとりましょう。風邪の症状を緩和させる効果が期待できる免疫細胞は、体温の上昇で活性化するといわれています。食事でも、体を温める食べ物や免疫力に効果がある食べ物をとるとよいでしょう。

しょうが

機能性成分が豊富なしょうがは、生薬としてよく用いられます。辛み成分であるジンゲロールには、強い殺菌作用があり、また体を温め血行を促進する効果、発汗作用があります。それが加熱・乾燥によって変化した香り成分のショウガオールは、抗酸化力が高く、免疫力が低下している体には効果的であるといわれています。またこれらの成分は食欲を増進するとともに胃液の分泌を促し、消化を助けます。ただし、食べすぎは逆に胃に負担をかけるので、胃腸の弱っているときはとりすぎないようにしましょう。

ねぎ

玉ねぎや長葱に含まれるアリシンは、免疫力の低下を防ぐのに効果的といわれています。また、炭水化物の代謝酵素となるビタミンB1と結合して吸収を高めるため、エネルギー生産を活性化します。ビタミンB1不足による倦怠感や食欲不振に効果的でしょう。また、長葱の緑の部分にはβ-カロテンやビタミンC、カルシウムが多く含まれ、これらは免疫力を戻すことに効果が期待できます。わけぎやあさつきといった小口ねぎと呼ばれるものも同様です。

にんにく

ねぎ類と同じ香り成分アリシンがより多く含まれ、強い効果を発揮します。ビタミンB1と結合して吸収を高める効果も強く、新陳代謝を活発にし、疲労回復や滋養強壮が持続します。アリシンは細胞を壊すことで発生するため、刻んだり潰したりして食べると効果的です。また、油と一緒に調理すると、アリシンが分解されにくくなります。

<あったかスタミナスープ(4人分)>

具だくさんにして、ご飯やうどんを入れれば栄養満点で体も温まり、元気の出るおすすめレシピです。

食材:豚ひき肉 50g/しょうが・にんにく 各1片/ねぎ 1/2本/人参 1/3本/白菜 大葉1枚/豆腐 1/2丁/水 600ml/中華スープの素・和風だしの素 各小さじ1/2/酒 大さじ1/味噌・醤油 各大さじ1

  1. にんにく・しょうがはみじん切り、人参は薄め(2~3mm)のいちょう切り、ねぎは小口切り、白菜は縦半分にし、芯と葉部分に分けてから太め(1cm程)の千切りにする。
  2. 鍋に、にんにく、しょうが、ひき肉、人参を入れ、ひき肉の上に酒をかけてほぐすように中火で炒める。
  3. 肉の色が変わり、肉の油が全体に回ったら、水を加える。中華スープの素・和風だしの素も入れて煮る。
  4. 沸騰したら、あくをすくい、白菜の芯を入れる。再び沸騰したら少し火を弱める。
  5. 白菜の芯が透き通ってきたら、白菜の葉とねぎを加え、醤油・味噌で調味する。
  6. 最後に豆腐を一口大の薄切り(5mm程)にしてそっと入れ、完成。

発熱したとき

風邪が本格化してくると、体の免疫機能が働き、体温を上げてウイルスと闘います。水分やエネルギーの消費も激しくなります。おかゆやうどんなど、温かくて消化のよいものを、よく噛んで食べましょう。よく噛むことで、唾液中の消化酵素アミラーゼの働きがよくなり、消化を助けます。

梅干し

梅に含まれるクエン酸は、炭水化物の代謝を促進し、疲労によってたまる乳酸の分解を促進するため、疲労回復に効果的です。また、クエン酸のほかにリンゴ酸、コハク酸などの各種有機酸が豊富で、抗菌効果があるとされています。

<梅おかゆ(1~2人分)>

食材:梅干し 1粒/ご飯 茶碗1杯/水 茶碗3杯分/和風だしの素 小さじ1/3/塩 1つまみ

  1. 梅干しは、種を取り刻んで叩く。
  2. 鍋に水と和風だしの素、ご飯を入れて、焦げないように木べらなどでときどき混ぜながら中火で煮る。
  3. 梅を加えて塩で味を調え、お好みの柔らかさになれば完成。好みで溶き卵を加えてもよい。

高熱で食欲がないとき

食欲がないときは水分摂取にだけ気をつけて、無理に食べずに胃腸を休めることもよしとされますが、ウイルスと闘うためのエネルギーを少しでもとり入れる必要もあります。スポーツドリンクなどを水で薄めて水分・ビタミン・ミネラルを補給したり、ノンアルコールの甘酒もよいといわれています。

甘酒

甘酒は、麹菌が作り出すビタミンB群や、ビタミン、アミノ酸、ブドウ糖を含み、消化がよく、風邪に必要な栄養素が凝縮された飲み物と言えます。

<ノンアルコールの甘酒>

食材:米 1合/水 4合分/米麹 300g/準備物:温度計

  1. 米は水洗いして、炊飯器の4合分の目盛りまでの水と炊飯器に入れて、おかゆを炊く。
  2. おかゆが炊けたら、全体が均一に60度くらいになるまで冷まし、米麹を加える。
  3. 炊飯器のふたを開けたまま、保温機能で50~60度になるようにし、時々混ぜながら5時間~半日ほど置いて完成。

水や豆乳で薄めると飲みやすくなります。

治りかけで食欲が回復してきたとき

症状が落ち着いてきて回復傾向にある場合は、体力の回復や消耗したビタミン・ミネラル類を補給できるようなバランスのよい食事がよいでしょう。野菜やわかめなどの海藻、きのこ類を食べると、ビタミンやミネラルが補給できます。ねぎやしょうがを加えるとさらによいでしょう。

<しょうが風味の切り干し大根>

食材:切り干し大根 乾燥1袋約50g/人参 1/2本/油揚げ 1枚/しょうが 1片/和風だしの素 小さじ1/酒・みりん・醤油 各大さじ2/ごま油 大さじ1

  1. 切り干し大根は表示通りに水で戻し、絞っておく。
  2. 人参は千切り、油揚げは湯抜きして千切り、しょうがはみじん切りにしておく。
  3. 鍋にごま油を熱し、しょうが、人参を入れて炒め、切り干し大根も加えて炒める。
  4. 全体に油が回ったら、水(分量外)を全体がひたひたになるくらい加え、だしの素も加え煮る。
  5. 沸騰したら、油揚げ、酒・みりん・醤油を加えて、ひじきが柔らかくなるまで煮たら完成。

風邪を回復させるコンビニご飯

コンビニのお惣菜やお弁当、レトルト食品やインスタント食品などは種類も豊富で手軽に食事を準備できます。風邪の食事の基本は、胃腸にやさしい食事であることです。選ぶ際は、温めて食べられるもので、油っぽくないものを探しましょう。サラダよりは温野菜、揚げ物よりは煮るかグリルした肉や魚、カレーやハンバーグよりは煮物やおでんがおすすめです。

コンビニご飯で作る風邪におすすめレシピ

<おにぎり雑炊(1人分)>

雑炊にすることでご飯が柔らかくなり、消化がよくなります。卵はほぼ完全な栄養食品とされ、必須アミノ酸をバランスよく含み、免疫力を高めるビタミンAや、新陳代謝を活発にするビタミンB群を含むなど、理想的な栄養食品です。

食材:コンビニおにぎり(梅や鮭などお好みのもの) 1個/卵 1個/めんつゆ、水 適量/塩 少々/ねぎ、おろししょうがなどの薬味 適量

  1. 鍋に表示より薄めに希釈しためんつゆを入れ、煮立たせる(好みのカップスープや、おでんの出汁でもよい)。
  2. おにぎりはのりと別にし、のりは細かくちぎっておく。
  3. 沸騰したら、おにぎりのご飯を入れ、ほぐす。
  4. 好みの硬さになるまで煮て、味が足りなければ塩を少々加える。
  5. 卵を溶いて流し入れ、のり、薬味を散らせば完成。

まとめ

風邪のとき、体調が悪く食事のことまで気を配るのは大変かもしれませんが、難しい料理や慣れないご飯を作る必要はありません。とにかく体を温めるもの、そして、今回ご紹介した食材を、食べ慣れたご飯に加えるだけでも効果は期待できます。風邪の回復が遅く長引くような場合や、症状が重い場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

参考文献

  1. [1]「食品成分表」実教出版(2017)
  2. [2]「最強の免疫学」ワニブック(2016)
  3. [3]「あたらしい栄養学」高橋書店(2017年3月25日)
  4. [4]「食べ合わせ新百科」ブックマン社(2004.2012)
  5. [5]「機能性野菜の科学」日刊工業(2016)
  6. [6]免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム―(生理学研究所2012)
  7. [7]梅干し中の有機酸及びアミグダリン関連物質の抗菌作用(2016)

「風邪」の関連情報

注目情報

カテゴリー

記事ランキング